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■ 安倍新内閣発足
2006年10月04日(水)
自民党の安倍晋三総裁が先月26日午後、衆院本会議の首相指名選挙で、第90代、57人目の首相に選出された。初の戦後生まれで、戦後最年少の52才。同日夜に自民、公明両党連立の安倍内閣を発足させる。
安倍内閣は、財政再建や社会保障財源としての消費税率引き上げ、中韓両国との関係改善などが大きな課題。この日召集された臨時国会では、インド洋で米軍艦船などに給油支援するためのテロ対策特別措置法延長の改正案や教育基本法改正案の成立を最優先に取り組む。10月には衆院神奈川16区と大阪9区の補選、11月に沖縄県知事選と選挙が続き、来年4月に統一地方選、来夏には与党過半数維持をかけた参院選を控えている。民主党は対決姿勢を強めていくのは確実で、国会攻防も激しくなりそうだ。 安倍氏は参院本会議でも首相に選出。直ちに首相官邸で組閣作業に着手、同日夜に皇居で首相の任命式、閣僚の認証式が行われる運びだ。これに先立ち、小泉内閣は26日午前の臨時閣議で総辞職、5年5ヶ月の政権に幕を閉じた。
共同通信社が先月26日夜から27日にかけて実施した全国緊急電話世論調査で、安倍内閣の支持率は65・0%となり、発足直後としては宮沢内閣以降で小泉内閣、細川内閣に次ぐ3番目の高さとなった。支持理由は「ほかに適当な人がいない」が22・6%で最も多く、次いで「首相を信頼する」が21・9%だった。不支持率は16・2%。安倍晋三首相が靖国神社を参拝すべきかどうかについては「すべきではない」が51・3%と半数を超え「すべきだ」の33・0%を上回った。安倍内閣が取り組むべき最優先課題では(1)年金などの社会保障37・9%(2)景気対策17・5%(3)財政再建11・6%の順となった。26日に発足した安倍内閣の顔触れの印象は「代わり映えしない」が23・3%で最も多く、次いで「派閥順送りで改革のイメージがない」が16・6%。肯定的な評価では「改革にむけた意気込みを感じる」が15・5%、「重厚で安定感がある」が11・0%となった。
世論調査の結果は、非常に実直だと思う。僕自身の安倍内閣の印象も「ほかに適当な人がいない」だからだ。さらに付け加えさせてもらうと、安倍内閣は「頼りなさそう」である。前者の印象については、小泉前総理が安倍氏を“ポスト小泉”として育て上げ、小泉前総理が首相任期中に推進してきた構造改革の継続を安倍氏に託し引き継いでいったことから当然といえる。 しかし後者の印象については、安倍新総理のイメージが、あまりにも真面目で温厚すぎる人柄であること、そして小泉前内閣からの継続政策以外の、安倍新総理独自の具体的な思想や理念が見えてこないことから来ている。
まず人柄から言えば、はっきり言って安倍新総理には歴代総理たちのような個性やクセといったものが感じられない。言い換えれば“一国の首相”としての貫禄やインパクトが欠けているのだ。総理大臣を務めるのに貫禄やインパクトは必要ないのかもしれないが、僕個人的には、やはり国会で野党との攻防に動じないような打たれ強さや、外交に於いても各国の首脳たちと顔を揃えても迫力負けしないだけのインパクトが欲しいところだ。これまでの安倍新総理の言動を見ていると、どうも他の議員や記者団たちに対して萎縮ともとれる印象を感じてならない。一国の首相として、説得力のある自信に満ちた迫力が必要だ。
そして問題なのが、安倍新総理独自の路線が見えてこないことだ。もちろん小泉前内閣からの継続政策を担っているわけだから、長期的な政策を実現させるためにも、前内閣と同様の思想や理念は必要だ。しかし、ただそれだけでは進歩や発展はないわけで、前内閣の路線を継承しつつも、新たな安倍ビジョンをもう少し具体的かつわかりやすく打ち出してもらいたいものだ。
僕が持っている安倍新内閣に対するマイナスイメージが、今後どのように変わっていくかが見物である。
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