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■ F1第14戦トルコグランプリ(決勝)
2006年08月27日(日)
F1第14戦トルコグランプリ決勝は、運がルノーに味方したレースでした。
2番手スタートのミハエル・シューマッハ(フェラーリ)、3番手スタートのフェルナンド・アロンソ(ルノー)とタイトル争いを演じる2人の直接対決となった注目のスタートでは、自身初のポールポジションからスタートしたフェリペ・マッサ(フェラーリ)がトップのまま1コーナーへ入り、シューマッハはアロンソをけん制しながら、かろうじて前のポジションを守りました。ところが、アロンソとチームメイトで4番手スタートのジャン・カルロ・フィジケラが接触寸前となり、フィジケラは1コーナーのイン側でスピンを喫し、後続のマシンがその影響で多重クラッシュするいきなりの大波乱。佐藤琢磨(スーパーアグリ)と接触したティアゴ・モンテイロ(ミッドランド)はリタイヤとなり、フィジケラ、ラルフ・シューマッハ(トヨタ)、ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)、スコット・スピード(トロロッソ)、キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)、佐藤琢磨らが緊急ピットインを強いられてしまいました。昨年のトルコグランプリで優勝したライコネンは、追突された影響でバーストしたタイヤを交換するも、ピットアウト直後にマシンの挙動が乱れてタイヤバリアにクラッシュして早々にレースを終えました。 トップ集団では、レース序盤はマッサが安定した速さでトップを走行し、2位のシューマッハがファステストラップを更新しながらそれに続いてフェラーリのワンツー体制を維持し、3位のアロンソ以降とのギャップを少しずつ広げていきました。
ところが、この後フェラーリにとっては想定外の展開が待っていました。13周目にビタントニオ・リウッツィ(トロロッソ)が1コーナー先で単独スピンしてマシンがコース上に留まったため、セーフティーカーが導入され、翌周にフェラーリの2台とアロンソが同時にピットに向かいましたが、フェラーリの2台はトップのマッサと2位シューマッハが同時に入ってきたため、シューマッハはマッサのピット作業が終わるまで後ろで待機しなくてはならない状況となってしまいました。その間にアロンソもピットに入ってくると、ピットクルーが迅速な作業でアロンソを送り出し、シューマッハより先にピットアウトすることに成功しました。これで順位はトップがマッサ、2位アロンソ、3位シューマッハに変わります。
フェラーリとしては、13周目のセーフティーカー導入は大きな誤算でしたね。その時点ではマッサが首位、2位シューマッハだったのですが、マッサとシューマッハにはかなりのマージンがあったため、ここでピットインする前に両者の順位を入れ替えてしまっては明らかにあからさまなチームオーダーとなってしまいますよね。そうなると、シューマッハが確実にアロンソの前でピットアウトするには、前をゆくマッサのレースを無視してピットインを1周先延ばしにして、シューマッハを先にピットインさせる方法もありましたが、それでは1周遅れて入るマッサが大きく順位を落としてしまい、コンストラクターズ争いで不利になります。
そのためフェラーリは苦渋の決断でマッサとシューマッハを2台同時にピットインさせてシューマッハを待たせることにしたわけですが、ここでマッサのピット作業中にピットインしてきたアロンソに対し、ルノーのピットクルーは非常に迅速なピット作業をしました。その甲斐あってアロンソはまんまとシューマッハの前でピットアウトすることに成功しました。 一方のフェラーリは、アロンソに前を行かれてしまったものの、レースペースではシューマッハの方が速かったため、コース上でアロンソをかわすか、あるいは2度目のピットインで再びアロンソの前に出る作戦に打って出ました。
しかし、その後17周目にレースが再開されると、トップのマッサを含む上位3台はそれぞれファステストラップを出し合いながらハイペースで周回を重ね、シューマッハはアロンソが39周目に2度目のピットインを終えた後、4周引っ張って2度目のピットインに入るもアロンソの前に出ることはできませんでした。レース終盤は、アロンソとシューマッハは約コンマ5秒差のテール・トゥ・ノーズの接近戦を繰り広げるものの、ペースは明らかに速かったシューマッハは最後までアロンソに完璧に抑え込まれたままチェッカーを受け、マッサがポール・トゥ・ウィンで初優勝、2位アロンソ、そしてわずかコンマ081秒差で3位シューマッハという結果に終わりました。
この結果、残りレース数4戦でアロンソとシューマッハのポイント差が12に広がりました。シューマッハはいよいよタイトル奪還が厳しい状況に追い込まれてしまいましたね。
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