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■ 小泉首相、終戦記念日に靖国参拝
2006年08月15日(火)
いや〜、やりますな小泉さん。それでこそ小泉さんです。
来月の任期満了を目前に控えた小泉首相は、首相として最後の終戦記念日となる今日8月15日に6回目の靖国参拝を強行し、5年前の総裁選で掲げていた「終戦記念日に靖国参拝する」という公約を実現させました。 小泉首相はこれまでにも任期中に5回靖国参拝をしていますが、平成13年には「国内外の状況を真摯に受け止め、私自らの決断として、15日の参拝は差し控える」として8月13日に参拝、平成14年には「静かに私の真情を込めてお参りするには、例大祭の時期が一番ふさわしいと思う。8月に参拝する考えはありません」として4月21日に参拝、平成15年には「新年で決意を新たにするのもいい時期ではないかと思った。8月15日参拝にはこだわらない」として1月14日に参拝、平成16年には「初詣では日本の伝統ではないか」として元旦に参拝、平成17年には「例大祭だし、1年に1回参拝することはいいことだなと思う」として10月17日に参拝し、いずれも8月15日を避けており、今日の参拝は初の終戦記念日の参拝と言うことになります。
ちなみに小泉首相以外に今日靖国参拝を行った国会議員は、超党派の国会議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する会」から計56人(衆院34人、参院22人)。このうち副大臣は西野あきら経産副大臣ら3人、政務官は竹下亘環境政務官ら3人。政党別では自民党52人、民主党2人、国民新党、無所属の各1人。代理参拝は101人でした。 また、自民党若手の「平和を願い真の国益を考え靖国神社参拝を支持する若手国会議員の会(平和靖国議連)」から3人、同党新人の「伝統と創造の会」から7人も参拝。小泉内閣の17閣僚のうち、沓掛哲男防災担当相も今日の午後に参拝しました。
さて、皆さんは今日の小泉首相の靖国参拝を、どう思いますか?
僕はもちろん評価します。強いて言えば、参拝してもしなくてもどちらでも良かったと思います。参拝しなかったとしてもそれはそれで別に問題はないと思っていますし、僕も「是が非でも参拝すべきだ」と言うつもりもありません。
問題となっているのは言うまでもなく韓国・中国両国の反発で、以前から小泉首相の靖国参拝のたびに両国が遺憾の意を表明して反発していました。「日本は戦争時代に中国と韓国で虐待を行ってきた。その犯罪者を一国の首相が公然と英雄視して参拝するのは以ての外だ!」というわけですね。さらに靖国神社は宗教法人であり、政治家がそういった場に赴いて宗教的な儀式を行うのは憲法違反であるという声も出ています。そして今日8月15日の終戦記念日という象徴的な日に小泉首相が参拝したことは大きな意味を持ち、今後国内や韓中両国の間で大きな波紋を呼ぶのは間違いないでしょう。
しかし、この問題は日韓中各国の歴史認識の違いが根底にあり、韓中両国の主張が正当であるとは言い切れないのが現状ですね。かといって小泉首相の主張が正当であるかと言えばそれも微妙なんですが、少なくとも僕は小泉首相の「あくまでも靖国参拝は国のために命を捧げられた方々に対する衷心からの追悼の意に過ぎない」という主張と行動を支持します。国の代表として毅然とした立派な行動であると思います。
過去に日本が韓国・中国に対して犯した罪は決して許されるものではなく、当然償われるべきだと思います。しかし、純粋に戦没者を哀悼する気持ちというものは各国がそれぞれの戦没者に対して持っている共通の感情であり、本来戦時中に犯した戦争行為とは切り離して考えるべきことで、靖国神社に眠る戦没者たち=虐待者とする韓中の考え方がナンセンスであると言わざるを得ません。 しかも、日本はこれまでに何度か公式に政府として過去の過ちを謝罪し、毎年多額の政府開発援助(ODA)による補償を両国に対しておこなってきました。ところが、韓国・中国ともこの事実は教育上伏せており、戦争を知らない若者たちに「日本は過去の罪に対して謝罪も補償も一切おこなっていない」という間違った歴史認識を植え付けて反日感情をあおっているのです。2004年に中国で開催されたサッカーアジアカップで、日本代表が中国のサポーターに猛烈なブーイングを浴びて問題になりましたが、戦争を知らない若者たちが、ここまで未だに強い反日感情を抱いているというのは異常としか言いようがありません。
従って、靖国参拝に対する韓国・中国の反発は、この際無視してかまわないと僕は思います。僕が思うに、小泉さんが単に公約通り信念を貫いて靖国参拝を続けたのは、韓国・中国に対して、あえて“沈黙の抗議”をおこなったのではないかと思っています。政府として過去に何度も謝罪して十分な補償をしているにもかかわらず、それが国民にまったく伝わることなく反日感情だけが根強く残っているのでは、これまで日本政府が韓中両国に支払ってきた多額の援助資金は単なる税金の無駄遣いに他なりませんからね。
韓中両国は、反発する前にただちに近現代史の教育を見直し、戦争を知らない若者たちに植え付けられた日本に対する“誤解”を改めさせるべきです。
ただ、公明党の神崎代表や日本遺族会会長で自民党の古賀元幹事長が主張しているように、靖国神社という宗教法人から切り離して戦没者を追悼する国立追悼施設を早急に建設すべきという意見には大いに賛成ですね。何も戦没者を追悼するのが靖国神社である必要はないわけで、靖国神社が宗教法人だから問題あるというのであれば、宗教法人から切り離せばいいだけの話です。一番大切なのは静かにお参りできる施設、環境を整えることであり、それが整えば政治家として堂々と参拝できるというわけです。もちろん宗教法人から切り離したとしても、韓中の反発は避けられないでしょうけどね。
戦没者を追悼するというのは、日本の伝統であり文化です。それを他国の政府が公然と干渉してくるのはいかがなものかと。韓中両国政府は、外交のモラルに欠けていますね。
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