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■ F1第11戦フランスグランプリ(予選)
2006年07月15日(土)
F1第11戦フランスグランプリ予選、今回から予選ルールが若干変更され、これまで15分の制限時間で、チェッカーが振られた時点ですべてのタイムアタックが終了していた第1ピリオドと第2ピリオドは、最終ピリオド同様チェッカーが振られた時点でコントロールラインを通過していれば、その周回のタイムアタックが認められることになりました。また最終ピリオドは、これまでの20分間から第1ピリオド、第2ピリオド同様15分間に短縮されました。
第1ピリオドでは、BMWザウバーのジャック・ビルヌーヴと、ホンダのジェンソン・バトンが思うようにタイムが伸びず、この2台に加え、スーパーアグリのフランク・モンターニュと佐藤琢磨、ミッドランドのティアゴ・モンテイロ、トロロッソのビタントニオ・リウッツィが脱落しました。 第2ピリオドではミッドランドのクリスチャン・アルバース、トロロッソのスコット・スピード、ホンダのルーベンス・バリチェロ、レッドブルのクリスチャン・クリエン、BMWザウバーのニック・ハイドフェルド、そしてウィリアムズのマーク・ウェバーが脱落し、第2ピリオドまでにホンダの2台、BMWザウバーの2台、そしてウィリアムズの1台が姿を消すという波乱となりました。
注目の最終ピリオドでは、タイトルを争うルノーのフェルナンド・アロンソとフェラーリのミハエルシューマッハによる熱いバトルが展開されました。両者はセッションが開始するやいなや、トップの座を巡ってサイド・バイ・サイドでコースに飛び出し、まずはアロンソが先頭に立ちましたが、アデレード・ヘアピンでシューマッハがアロンソをオーバーテイクし、集団をリードします。その後残り時間10分を切り、アロンソがコース上でシューマッハを交わして再びトップを奪うなど、決勝レースさながらの場面が見られました。両者はタイム争いでも激しいつば迫り合いを見せ、1回目のアタックではシューマッハがトップ、チームメイトのフェリペ・マッサが2番手に入り、フェラーリがワンツー体制になります。3番手に甘んじたアロンソはニュータイヤを装着し、再度タイムアタックを試みますが、シューマッハには及ばず2番手。さらに最後の最後でマッサがタイムを更新して2番手に返り咲き、フェラーリのフロントローが確定しました。
前戦アメリカグランプリに続き、フェラーリがワンツーで公式予選を制し、3番手ルノーのアロンソに、ヤルノ・トゥルーリが4番手、ラルフ・シューマッハが5番手とトヨタの2台が続きました。以降キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)、ジャン・カルロ・フィジケラ(ルノー)と続き、ファン・パブロ・モントーヤの突然の引退劇によって急遽レギュラードライバーに抜擢されたペドロ・デ・ラ・ロサ(マクラーレン・メルセデス)が8番手につけました。
フェラーリの快進撃は前戦のアメリカグランプリのみで、ここフランスではルノーが巻き返してくると踏んでいたのですが、結果は今回もフェラーリがフロントローを独占、僕の読みは外れてしまいました。
今シーズンここまでシューマッハが勝っているのは、サンマリノ、ヨーロッパ(ニュルブルクリンク)、そして前戦アメリカ。サンマリノはフェラーリの本拠地であり、ニュルブルクリンクはシューマッハの母国グランプリ、シューマッハはそういったここぞというレースでは、なぜか神懸かり的な強さを見せてこれまでにも何度か勝っていますので、今シーズンもその大事な2戦できっちり勝っているのはうなずけます。さらにアメリカグランプリは一部オーバルセクションを利用した高速サーキットで、過去のアメリカグランプリはほとんどフェラーリが勝っていること、さらにマッサも2位でフィニッシュしていることからも、フェラーリとしてはもっとも相性のいいサーキットであることは間違いないでしょう。
ところが、今回のフランスグランプリはルノーの本拠地であるとともに、ルノーが装着するミシュランタイヤの本拠地でもあります。さらにコースレイアウトもどちらかというとルノーに有利な中速テクニカルサーキットであり、シューマッハとフェラーリが本拠地と母国であるサンマリノ、ヨーロッパを制したならば、アロンソが母国スペインを制してシューマッハの連勝を止めたように、ルノーとミシュランの本拠地であるここフランスでもアロンソが強さを発揮するものと考えていたのですが、さすがにそう単純には行かなかったようですね。
よくよく考えてみれば、フランスグランプリはシューマッハにとっても過去7回も優勝している得意中の得意グランプリ、さらに今日の予選でマッサも2番手につけたことを考えると、相当フェラーリの仕上がりは良いと言うことなのでしょう。昨年とは違い、今年のフェラーリはすでにルノーと互角の状態まで実力を取り戻してきていることは間違いないですね。フェラーリとしては、ルノーとミシュランの本拠地である、完全アウェーのグランプリで勝利を手にして、ルノーに精神的なダメージを与えたいところでしょう。
さらに前戦アメリカでフェラーリがワンツーフィニッシュを達成し、アロンソは5位に終わったため、ポイント差は一気に19ポイント差まで縮まりました。今回もフェラーリの2台がフロントローからスタートしますから、またワンツーフィニッシュを達成した場合、アロンソが3位に入ったとしても、アロンソとシューマッハのポイント差はさらに4ポイント縮まることになりますから、タイトル争いはシーズン後半に向けて混沌としてきそうですな。
明日の決勝で果たして、アロンソがこの抜けないマニクールサーキットで、前をゆくフェラーリ2台の牙城を崩せるかが見物です。アロンソにとって幸いなのは、3番手の奇数グリッドなので、偶数グリッドよりグリップがよいのでスタートダッシュが決められるということぐらいでしょうか。
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