Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 F1第11戦フランスグランプリ(決勝)
2006年07月16日(日)

 F1第11戦フランスグランプリ決勝、予想通り、やはり優勝はポールポジションからスタートしたフェラーリのミハエル・シューマッハでしたね。

 3番手スタートだったルノーのフェルナンド・アロンソは、最終的に2番手からスタートしたフェラーリのフェリペ・マッサを交わして2位でフィニッシュし、失点を最小限に抑えることができましたが、アロンソの2位という結果が優勝したシューマッハに対しての敗北とするならば、スタートでマッサの前に出られなかったのがその敗因といえるでしょう。

 レースを振り返ってみましょう。スタート後の1コーナーで、先頭に立ったミハエル・シューマッハの後方で、3番グリッドのフェルナンド・アロンソ(ルノー)が2番手のフェリペ・マッサ(フェラーリ)に仕掛けたものの、マッサはそのポジションを守りきりました。上位3台はそのまま順位を変えず、徐々に後続を引き離していきます。2位マッサが3位アロンソを抑え込む中、トップのシューマッハはファステストラップを次々と更新して引き離しにかかります。ここまでマッサは非常にいい仕事をしていたというわけです。17周目にマッサからピットインし、翌周にはアロンソも入りますが、この時点で順位に変動はありませんでした。

 その後30周を過ぎ、フェラーリ2台が相次いで2回目のピットストップを行ないますが、ルノー勢は第2スティントを延ばし、アロンソが次にピットに戻ったのは42周目。この時点でルノーの2ストップ作戦が明らかになりました。先頭を走るシューマッハはファステストを叩き出して独走態勢を築きますが、2位マッサのペースが上がらず、3位アロンソとのタイム差を10秒以上広げることができないまま3度目のピットストップ。この隙にアロンソが2位に浮上します。
 十分なマージンを築いていたシューマッハは、残り15周で最後のピットストップを行ない、余裕を持ってトップでコースに復帰し、そのままルノーとミシュランタイヤの本拠地で見事ポール・トゥ・ウィンを飾りました。

 もし仮にアロンソがスタートでマッサを交わして2位に浮上していれば、その後の展開はかなり面白いものになったでしょう。おそらくシューマッハとアロンソのスピードはほぼ互角だったと思われ、コース上でオーバーテイクするのは非常に困難なサーキットではありますが、ピット戦略でアロンソがシューマッハを出し抜いて逆転優勝した可能性もありましたからね。そう言う意味ではマッサは最終的にルノーの変則ピット作戦で終盤アロンソに交わされたものの、スタートで2位のポジションを守りきり、前をゆくシューマッハを先行させたことは非常に良い仕事っぷりだったと思います。

 リザルト全体を見渡してみると、やはりコース幅が狭く、コース上でのオーバーテイクが困難なここマニクールでは、トラブルによってスローダウンするかピット作業でもたついたマシンを除けば、予選順位と比べてもそれほど大きな順位変動はなかったですね。一言で言えば退屈なレース展開でした。

 さて、旧型車SA05での最後のレースとなったスーパーアグリは、クラッチトラブルでフォーメーションラップからスムーズなスタートが切れずにいた佐藤琢磨が、1周目に早々にリタイヤしてしまいましたね。しかし、トラブルを抱えていたにもかかわらず、スタートでは前をゆくティアゴ・モンテイロ(ミッドランド)を交わして、持ち前の素晴らしいスタートダッシュを見せてくれました。次戦ドイツグランプリからは、いよいよ新型車SA06が投入されますから、今まで何かとコース外でもうるさかったミッドランド(特にモンテイロ)を置き去りにして欲しいものですな。



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