|
|
■■■
■■
■ マックス・モズレーの暴挙発動!
2006年03月24日(金)
F1を牛耳っているFIA(国際自動車連盟)の会長マックス・モズレーが、またとんでもないことを言い出しましたな。
まずこの話題をする前に、FIAとコンコルド協定、そしてGPMAの関係について、もう一度おさらいしてみましょう。
F1を統括するFIAとF1に参戦する各チームとの間で、コンコルド協定というものが結ばれていて、現在の規則では、このコンコルド協定にサインしないとF1に参戦することはできません。このコンコルド協定は非公開のものなのでその全貌は明かではないのですが、公になっているものでは、レギュレーションや放送料の分配などの取り決めをおこなったりしていて、レギュレーションを変更する場合は、FIAが提案したものに対して全チームが多数決を行い、過半数で承認されます。 他に最近判明したものでは、昨年の11月に今シーズンからのF1参戦を表明したスーパーアグリが、エントリー手続きに不備があってエントリー期日に間に合わなかったというような場合、再申請をする場合は他の全10チームの同意が必要であるということも定められているようです。
で、このコンコルド協定、現状のものは2007年でその効力が切れてしまうのですが、2008年からの新コンコルド協定がかなり公平性を欠くものらしく、ルノー、マクラーレン(メルセデス)、トヨタ、ホンダ、そしてBMWのメーカー系チームで構成されるGPMA(グランプリ・マニュファクチャラーズ・アソシエーション)が反発し、FIAとコンコルド協定で成り立つF1グランプリを離脱して、2008年から独自の新シリーズを立ち上げる構想を立てていました。
ところが、F1のシンボルとも言えるフェラーリは、メーカー系チームであるにも関わらず、以前からFIAと癒着しているため、有利な条件を提示されて早々に2008年からの新コンコルド協定にサインしました。さらにその後昨年限りでBMWとの関係を解消した名門ウィリアムズがこれに続き、今年からフェラーリからエンジンの供給を受けているレッドブル、そのセカンドチームであるトロロッソ、一昨年にジョーダンを買収したミッドランド、さらに今年からF1に新規参入したスーパーアグリも新コンコルド協定にサインし、事実上新コンコルド協定組は6チームとなり、GPMAの新シリーズ立ち上げは不可能となってしまいました。
そこでさらに追い討ちをかけるように、モズレーの暴挙が発動されたのです!
22日、世界モータースポーツ評議会の会合がパリで行われ、エントリーの受け付け期間は今年3月24日(今日)から31日とするという決定が下されたのです!マックス・モズレーはGPMAの5社に対し、すぐに新コンコルド協定にサインし、F1への参戦を決めなければ、2008年以降のエントリーは保証されないとコメントしています。
新コンコルド協定は2008年から2012年まで効力がありますが、現在F1のチーム枠は12まであり、そのうちすでに新コンコルド協定にサインし、2008年からの関与が決定しているチームは前述の6チーム。従って残り6つのチーム枠が残っていることになります。今月31日までの締め切りを過ぎてもまだ空きがあればエントリーは受け付けられますが、エントリーが遅れたチームは2008年のレギュレーションについての発言権がなくなってしまいます。 またマックス・モズレーは、2008年からは現状の新規参入時に納めなければならない約58億円ものエントリーフィーを廃止を検討しており、これにより2008年からのF1への新規参入に名乗りを上げているチームが複数あると挑発しています。
つまり、仮にGPMA側が今月31日までにコンコルド協定にサインせず、2008年のエントリーを行わなかったとしても、現状の6チームと新規参入チームで全12枠が埋まり、F1グランプリは存続可能だと言っているわけです。そして今月31日までにすべてのチーム枠が埋まってしまえば、例え昨年タイトルを獲得したルノーや名門マクラーレンですら、2008年にF1に参戦することはできなくなってしまうと言うわけです。
GPMAは、思いがけず早急な決断を迫られることになってしまいました。もしGPMAの5社が31日までに新コンコルド協定にサインし2008年のエントリーを済ませれば、2008年からのF1分裂は避けられることになりますが、新コンコルド協定の内容に反発してサインを拒んでいたGPMAはFIAに屈することになるわけですね。
マックス・モズレーはその面構えと言いやり方と言い、人の弱みにつけ込むのが得意な根っからの悪人のようですな。現実の世界で勧善懲悪というのはなかなかないものですが、マックス・モズレーこそ、真の悪役と呼べるでしょう。
|
|
|