Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 2005年F1グランプリ、閉幕
2005年10月16日(日)

 いや〜、とうとう今年も終わってしまいましたね、F1シーズン。今年は史上最多の全19戦でシーズンを争われたのですが、長いと思っていたシーズンも、終わってみればあっという間でしたな。何だかF1シーズンを追いかけていると、1年があっという間に過ぎてしまうような気がします。ミカ・ハッキネンが初めてチャンピオンになった98年などついこの間のような感覚ですが、もうあれから7年も経ってしまったんですねえ。月日が経つのは早いものです。

 さて、今日は2005年F1グランプリを締めくくる最終戦中国グランプリの決勝が行われたわけですが、その決勝スタートの直前に、思わぬアクシデントが起こりました。レコノサンスラップ(グリッドに並ぶためのアウトラップ)で、ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)とクリスチャン・アルバース(ミナルディ)が接触。両者のマシンは激しく壊れたため、スペアカーを使用することになり、ピットスタートを余儀なくされてしまいました。なおこの接触事故はレース後審議され、ミハエル・シューマッハが「厳重注意」を受けました。

 「厳重注意」とは、わかりやすく言えば「今回は目をつぶるが、気をつけろよ」ということで、つまりは不問ということですな。やっぱりシューマッハは琢磨と違って、何をやってもまったくお咎めがなくていいですねえ。え?この場合はレースが始まる前のアクシデントだから処分の対象にはならないって……?

 ……アホか!

 それにしても、今回の件に限らず、昨年のヨーロッパグランプリでのバリチェロと琢磨の一件と言い、モナコでのシューマッハとモントーヤの一件と言い、フェラーリのバックミラーは見にくいのでしょうかねえ。どう見てもこれらの3件、シューマッハもバリチェロも後ろ全然見ていませんよ。構造上後方視界に問題があるのか、はたまた「後ろなど見る必要はない」というフェラーリの慢心なのかはわかりませんが、いずれにしても何とかしてくれないと、それこそ「危険」ですがな。

 決勝はポールポジションのフェルナンド・アロンソ(ルノー)が素晴らしいスタートを決め、トップで1コーナーへ。3番グリッドのキミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)も好スタートを切り、2番グリッドのジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)に並びかけますが、イン側にいたフィジケラがポジションをキープしたため、ルノーが1-2体制のまま1コーナーをクリアしていきます。
 一方、佐藤琢磨(BAR・ホンダ)が17番グリッドから素晴らしいスタートダッシュを見せたかに思われましたが、ジャンプスタート(フライング)の裁定が下され、佐藤はドライブスルー・ペナルティを受け、最後尾まで順位を落とす苦しい展開となってしまいます。

 ……あ〜あ、またやっちゃったよ琢磨君……。

 トップのアロンソはファステストラップを連発し、2番手以下を大きく引き離しに掛かります。コンストラクターズ・タイトル獲得のためにルノーの前に出たいマクラーレン・メルセデスでしたが、ライコネンとモントーヤはフィジケラにブロックされてしまい、アロンソは独走態勢を築きます。そして18周目、4番手走行のモントーヤが排水溝の蓋を踏むというアクシデントに見舞われ、緊急ピットインを余儀なくされてしまいました。結局モントーヤはその後リタイヤしてしまいます。
 モントーヤのアクシデントにより導入された、異物の排除とコースのチェックのためのセーフティカーにより、各ドライバーは続々と1回目のピットストップを実施する中、何とまだセーフティーカー走行中の22周目、10番手までポジションを上げていたミハエル・シューマッハが単独でスピンしコースオフ。コースに復帰できずリタイアに終わってしまいました。
 今回は予選で6番手と、まずまずのポジションからスタートするはずだったのですが、スタート前の接触と言いこのスピンオフによるリタイヤと言い、今年のシューマッハとフェラーリを象徴する幕切れとなりましたな。

 セーフティカーの導入でアドバンテージを失ったアロンソでしたが、リスタート後も快調で2番手のチームメイトフィジケラを引き離します。しかし29周目に、今度はジョーダンのナレイン・カーティケヤンが大クラッシュを喫し、マシンの撤去のため再びセーフティカーが導入されます。これよりアロンソ、フィジケラ、ライコネンをはじめ、ほとんどのドライバーが2度目のピットストップを実施。このピットストップでライコネンはフィジケラを交わすことに成功し、ポジションをアップさせます。
 
 そんな中、琢磨はピットに入らずそのまま周回したため、大ききポジションをアップさせました。レースは34周目にリスタート。8番手までポジションをアップした琢磨でしたが、ギアボックスのトラブルに見舞われ突然マシンがスローダウン。BAR・ホンダでの最後のレースは残念ながらリタイアに終わってしまいました。
 
 その後49周目に、2度目のセーフティカー導入でピットインする際、フィジケラはピットレーンで意図的にペースを落とし、ライコネンやバリチェロを塞いだ行為がレギュレーション違反と判断され、フィジケラにドライブスルー・ペナルティの裁定が下ります。フィジケラは49周目にドライブスルー・ペナルティを受けますが、幸いひとつポジションを落としただけの4位でコースに復帰しました。
 
 レースも残り5周を切ったところで、2位のライコネンがファステストラップを連発し、トップのアロンソにプレッシャーをかけます。ライコネンは4秒差まで追い詰めますが、アロンソが逃げ切りチェッカー。アロンソの勝利により、ルノーのコンストラクターズ・タイトルが決定しました。この結果、ルノーはドライバーズ・タイトルに続き、ルノーエンジンとしては97年以来、オール・ルノー体制では初のコンストラクターズ・タイトルも獲得しました。

 終わってみれば、今シーズン安定した強さを維持し、コンスタンスに上位フィニッシュを重ねてタイトルを獲得したルノーとフェルナンド・アロンソが最後に花を添え、そして今後も良きライバルになるであろうキミ・ライコネンが、速いがもろいマシンに苦しみながら何とかアロンソに食らいつき、最後も2位でレースを終えたといった感じですな。

 来シーズンも、この2人の争いになることは間違いないでしょう。



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