Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 F1ドライバーの夢(前編)
2005年09月28日(水)

 9月22日付のVoiceの「エンピツ投票ボタン」でちらっと書きましたが、僕は過去に何度か、自分がF1ドライバーになっている夢をよく見ます。といっても実際のF1シーンのように華やかなものではなく、どちらかというと地味な夢です。今回は、そんな僕がよく見るF1の夢の中でも、特に印象的だった夢をご紹介しましょう。

 ……所詮夢の話なので、興味のない方が例によって飛ばしてください。


■第1話「Mako、立ち往生」

 それは、決勝レース中のことだった。僕はF1マシンの狭いコックピットの中でステアリングを握り、高速でコース上を周回していた。それはまるでテレビゲームをしているような感覚で、Gも感じなければスピードに対する恐怖も感じてはいなかった。しかし、自分が今何位で何周目を走行しているのかということはおろか、自分はどのチームに所属しているのか、今走っているサーキットがどこのサーキットなのかということすら、まったく把握していなかった。僕はただひたすら、走ったこともなければ見たこともないサーキットで、必死にハンドルを握りしめマシンを操っていた。

 ところが、僕の走る先に、突然あり得ないほどのバンク(遠心力を緩和するためにコースにすり鉢状に角度をつけること)がついた緩やかな高速コーナーが現れた!そのバンクの斜角はまるで競輪場のような、40度以上はあろうかというとんでもないバンクだったのだ!しかも、僕はそのコーナーの途中で、こともあろうに挙動を乱してしまい、マシンをスピンさせてしまったのだ!

 僕はバンク上でクルクルと回るマシンを何とか立て直そうと試み、幸いウォールにマシンをクラッシュさせてしまうことは免れたものの、ノーズ(マシンの先端)を上に向け、外側のウォールからわずか数センチのところで、まさに坂道停車の状態でストップしてしまった!

 幸いエンジンはまだかかっていたので、僕はコースに復帰しようと、踏んでいたブレーキペダルを離そうとした。ところが、僕のマシンの後方では何台ものマシンが高速で通過しているため、ブレーキペダルを離すと坂になっているのでマシンがバックしてしまい、後ろを通っているマシンに接触してしまうということに気付いたのだ。しかも僕が立ち往生しているというのに、無情にもレースはまったく中断する気配もスローダウンする気配もなく、僕の背後では何台ものマシンが切れ目なく高速でかすめていった。

 普通の乗用車だったらサイドブレーキがあるので、それをかければとりあえずブレーキペダルから足を離してもクルマが後ろに下がってしまうことはない。しかし、F1マシンにはサイドブレーキなどない。従ってマシンが後ろに下がらないようにするには、ひたすらブレーキペダルを踏み続けていなければならないのだ!

 しばらくその状態が続いていたので、少し足が疲れた僕は、一瞬だけ足を緩めてブレーキペダルを踏み直そうとした。ところが、その一瞬でマシンは予想以上に下がってしまい、後ろを通過するマシンとの距離がさらに近づいてしまった!もうこれ以上マシンを下げることはできない!僕はその場からまったく動くことができず、途方に暮れながら必死でブレーキペダルを踏み続け、ひたすら早くレースが終わってくれないかと願い続けていたのだった……。


(完)



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