Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 「ポルターガイスト」「ポルターガイスト2」
2005年08月19日(金)

 先日、WOWOWで録画したホラー映画「ポルターガイスト」と「ポルターガイスト2」を観ました。「ポルターガイスト」といえば1982年に公開された、スティーブン・スピルバーグが製作、制作総指揮、原案、脚本を手がけた映画で、監督はトビー・フーパー。郊外に新築された家に越してきたフリーリング一家を襲う異常な現象。幼い娘キャロルアンが行方不明となり、霊媒師は悪霊の存在を感じとった。やがてその土地は元々墓場だった事が判明する……というストーリー。

 家族の愛が霊界に迷い込んだ少女を救うという、いかにもスピルバーグが好みそうなテーマを、トビー・フーパー監督が随所にグロテスクな描写を交えて描いている映画でした。ボロボロと崩れ落ちる顔などはフーパーのセンスでしょうが、クライマックスの光の一大スペクタクル・ショーになると途端にスピルバーグらしくなります。映画の舞台となる街が、この当時同時に撮影していた『E.T.』と同じロケ地でした。
 この映画はもう20年以上前の作品だからなのか、超常現象の現し方が新鮮で、でも結局は家の下に埋まっていた死者の霊によるっていうところが古典的で良かったです。

 さて、その続編である「ポルターガイスト2」ですが、主要キャスティングは前作と同じものの、スタッフが総入れ替えとなり、スピルバーグは「2」以降一切タッチしていません。
 前作で悪霊を退けたフリーリング家は祖母の屋敷に移ったのですが、一家の娘キャロルアンに再び悪霊の恐怖が……。SFXを駆使したホラー・シリーズ第2弾で、今回は悪霊と闘うインディアンの呪い師が登場。「エイリアン」の創造者H・R・ギーガーをクリーチャー・デザインに迎え、前作以上のモンスター映画を狙っていたそうですが、脚本・演出ともに今ひとつまとまりに欠ける作品となっていました。

 そこそこ格調高いホラー映画だった前作に比べて、「2」はグロテスク度がものすごく増えています。グチャグチャの幽霊が出てくるところなんて、悪趣味の極みでした。まあ2作目は前作よりもパワー・アップしなければならないのは宿命なのでしょうけど、ちょっとやり過ぎという感じでした。ただ、ガイコツ顔の老人を演じたジュリアン・ベックの不気味さはなかなか良かったです。

 ところが、この「ポルターガイスト2」の撮影終了後にジュリアン・ベックが急死し、祟られたのではないかと話題になりました。さらに、まだ僕は観ていないのですが、このシリーズの完結編である「ポルターガイスト3」の撮影終了直前に、シリーズを通して出演し名演技を見せたキャロルアン役のヘザー・オルークが、わずか13歳で急死してしまったのです。そのため1988年の映画公開時には、主役であるキャロルアン役のヘザー・オルークは、すでに他界していました。
 ヘザー・オルークは「ポルターガイスト」で、わずか7歳でスピルバーグによって映画デビューを果たしました。しかし、出演した映画は「ポルターガイスト」の3部作だけで、まさに彼女はキャロルアン役のために生まれ、そしてキャロルアン役のために死んでいったようなものですね。

 スピルバーグは「E.T.」のヘンリー・トーマスやドリュー・バリモア、そして「A.I.」のハーレイ・ジョエル・オスメント、さらには「宇宙戦争」のダコタ・ファニングと子役の才能を引き出すのが非常に上手いですが、やはり「ポルターガイスト」シリーズのヘザー・オルークは最高の子役だったと思います。1作目から7歳とは思えないような演技で共演者を食い、強烈な印象を残しました。彼女は僕と同じ歳に生まれたので、今生きていれば僕と同じ30歳、きっと大女優になっていたことでしょう。残念ですね。

 ところで、シリーズ完結編の「ポルターガイスト3」は録画に失敗してしまったのでまだ観ていないのですが、映画自体は「2」からスピルバーグが離れてしまったのでかなり期待はずれでしたから、「3」もきっとあんまりいい出来ではないんだろうなあと思っています。気が向いたらビデオレンタルで借りてきて観てみようと思っています。



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