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■ 孤立するフェラーリ
2004年12月21日(火)
今シーズンで99年から6年連続でコンストラクターズタイトルを獲得し、ミハエル・シューマッハも2000年から5年連続でチャンピオンに輝き、もはや向かうところ敵なしのフェラーリですが、そのアドバンテージはF1を総括するFIA(国際自動車連盟)との癒着にあるということは、僕が常々言っていることですね。 このフェラーリとFIAの癒着によって、フェラーリは今後も大きなアドバンテージを得ることになりました。
今年夏、FIAは2006年シーズンからのエンジン規制をV8・2.4リッターに変更することを決め、フェラーリは早くからこのレギュレーションに同調していました。フェラーリはV8化の情報を早くから把握していたものと思われますが、BMW、ホンダ、メルセデスが最後までこれに反発してきました。 しかしBMWとホンダが提訴断念の方向となったことを受け、2006年シーズンからの変更が決定的な状況となってしまいました。両社と同じ歩調とみられていたメルセデスも、これを容認する構えをみせたからです。 すでにフェラーリは早くからFIAと考えを共にしており、事実上V8エンジン開発でも再びフェラーリ優位の図式が継続してしまうことになってしまったのです。 2005年シーズンはこれまでのV10・3.0リッター・エンジンで争われますが、1基のエンジンで2レースを戦うことになっており、その具体的な施策が注目されています。
また、年間のテスト日数削減案でも、フェラーリと他のチームがもめています。F1参加10チームの中で、唯一合同案に強調する姿勢を見せていないフェラーリでは、ルカ・モンテツェモロ社長があらためて9チームのテスト削減案に反対しています。依然として歩み寄りを見せていないフェラーリ以外の9チームとフェラーリ双方のテスト削減案ですが、9チーム側の代表者の中には危険な発言をする向きも出ています。 それによれば、テスト削減日数が合意されないままシーズンに突入した場合、9チームは自分たちの削減案に則って自主規制する。一方、フェラーリがこれに同調せず大幅テストを行ったうえでチャンピオンを獲得しても、これは他の全チームがボイコットして獲得を認めないというものです。事実上、F1分裂にもなりかねない大きな火種が心配されています。
この問題を解決する方法は2つ。エンジン規制に関してはもはやBMW、ホンダ、メルセデスが提訴を断念してしまったのでどうしようもありません。フェラーリが9チームのテスト削減案に同調し、9チームと同じ日数以内でのテストにとどめるか、それができないのであれば、F1から消えてもらうかです。
元々フェラーリは名門チームとしてFIAから手厚い養護を受け、フェラーリ専用のテストコースの使用すら認められています。またタイヤメーカーのブリヂストンもフェラーリに合わせたタイヤ開発を行っているため、他のブリヂストンユーザーはフェラーリ仕様のタイヤにマシンを合わせていかなければならないというとんでもない状況を強いられています。
すでにフェラーリは散々甘い蜜を吸い尽くしてきたわけですから、チョロチョロとうるさいルカ・モンテツェモロ社長と共に、フェラーリにはF1からいなくなってくれることを切に願います。
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