Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 勝手に「ゴルゴ13」(その5)
2004年12月05日(日)

出生の秘密

「この男が、超一流の国際テロリスト、ゴルゴ13だ。」
「……いったい何者なんだ?」
「本名、国籍、生年月日、血液型などは一切不明だ。」
「FBIの資料にも記載されていなかったな。」
「FBIはおろか、CIAもKGBもMI6も、血眼になってゴルゴの出生の秘密を探っているが、誰一人としてその秘密を知るものはいない。」
「……何とも、ミステリアスな男だ……。」

「……だが、我々FBIはゴルゴの出生について、ある有力な仮説にたどり着いたのだよ。」
「何だって?」
「ゴルゴ13の連載が始まったのは1968年、そして彼が関係する事件が初めて確認されたのは、1963年だと言われている。」
「1963年!そんなに昔からか!」
「そう、1963年、あのJFK暗殺にも何らかの形で関わっていると言われているのだ。」
「ちょっとまてよ!そうすると、その当時仮にゴルゴが20歳だったとしても、現在ゴルゴ13は、すでに還暦をとっくに過ぎているという計算になるじゃないか!」
「その通りだ!我々が目をつけたのは、まさにその点なのだ!」

「ゴルゴ13を取り巻く歴史は常に流れ、アメリカ大統領はケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、レーガン、大ブッシュ、クリントン、小ブッシュと実に10人も代わっている。実際コミックスの最新刊では、早くも小ブッシュが劇中に登場している。しかし、ゴルゴ13はこの写真を見てもわかるように、まったく年を取っていないのだ!確かに連載開始当初はまだ若く、今の寡黙なイメージとはずいぶん違い、独り言も多かった。しかし、この写真を見る限り、どう見ても還暦を過ぎているようにはとても思えない。」
「……確かに。」
「そこで、我々FBIは、ゴルゴ13がある一族の人間ではないかという結論に至ったのだ。」
「……ある一族……?」


「……磯野家だ。」


「い……磯野家!」
「そう、あの不老不死の一族だ。」
「するとゴルゴ13の父親は、磯野波平か!」
「ああ、世界最高峰のコンピューターも、そうはじき出している。」
「……確かに、ゴルゴ13が磯野家の人間だったとしたら、彼が全く年を取らないのも頷ける。」
「我々はこれから日本に渡り、磯野家を探ってみるつもりだ。」


ズキューン!


「ゴ、ゴルゴ!一体どこから……やはりお前は、磯野波平の……」


ズキューン!


(完)



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