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■ なぜイラクへ……
2004年10月31日(日)
イラクでの日本人人質事件は今朝、最悪な結末を迎えてしまいました。Barでも何人かの方が意見を書いていらっしゃいますが、僕の個人的な意見を述べさせていただくと、これは事故責任であると言わざるを得ません。 日本政府は、イラクへは行かないようにと言っているのです。なのに自ら危険なイラクへ行っているわけですから、政府としても対応のしようもありません。しかもイラク入りした目的が「ただ行ってみたいから」。そして所持金はたったの100ドル、さらに服装もイラクではあり得ない短パン姿……「誘拐してください」と言っているようなものです。 イラクがどういう状況なのか全くわかっておらず、「何とかなるだろう」と考えが甘すぎで、はっきり言ってあまりにも浅はかで無謀な行為であり、自ら殺されに行ったようなものだという点で、自殺行為だったといえるでしょう。
イラクでテロリストによって日本人が残虐なやり方で殺害されたからと言って、そのことだけを捉えて感情的になってはいけません。確かにその行為はあまりにも残忍で冷酷非道、それは決して許されることではありません。しかし、そもそもイラクという国はそういう危険な国であるということを認識しなければいけないのです。 更に言うなれば、テロリスト側の置かれている状況にも、目を向けなければいけません。彼らは、罪もない人々や多くの幼い子供を含む何十万もの同胞を殺されてきたのです。彼らの怒りと憎しみは、計り知れないものでしょう。たとえ自衛隊が人道支援の目的でイラクで活動していても、一部のイラク人にとっては、罪もない家族を奪ったアメリカの仲間でしかないのです。その自衛隊の撤退を要求し、その要求が飲まれなかったから人質を殺害した。それはイラクではむしろ当たり前のことであるとも言えるのです。
日本政府の対応にも、問題がありました。誘拐の声明が出された時点で、小泉首相が即座に「自衛隊撤退の要求は受け入れない」と言ってしまったのは、あまりにも軽はずみだったといえます。要求を即座に拒否したことで、テロリスト側との交渉、あるいは人質が自衛隊とは全く無関係の旅行者であることをテロリスト側に伝える余地が、全くなくなってしまったからです。
しかし、現実問題として日本政府は自衛隊をイラクから撤退させることはできません。自衛隊のイラク派遣に関しては様々な問題がありますが、今自衛隊を撤退させてしまっては、国際的な信用を失ってしまうからです。 さらに日本政府は今、台風や新潟中越地震の対応に必死の状況なのです。そんな中で一人の無謀な旅行者が勝手にイラクへ行って誘拐され、自衛隊撤退の要求をされる……政府としてはどうしようもないでしょう。
今回の事件は、とても残念な結果に終わってしまいましたが、仕方がなかったという一言に尽きます。
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