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■ 「CUBE2」を観る
2004年11月01日(月)
ビデオで借りてきた映画「CUBE2」を観ました。「CUBE2」は1998年に公開された「CUBE」の続編す。
まず前作の「CUBE」から簡単にご紹介しましょう。謎の立方体で目覚めた男がまったく同じつくりの隣の部屋に入ったとたん、罠にはまって賽の目に切り刻まれてしまいます。同じ立方体の中で出会う6人の男女、だれも何故そこにいて、そこがどこなのかわかりません。6つの面にあるどのドアをあけても壁の色の違う同じ立方体があるだけの空間に閉じ込められた6人は、罠を避けながらとにかく出口を求めてさ迷い歩きますが……。 カナダの恐るべ新鋭監督ヴィンチェンゾ・ナタリが低予算で作り上げた密室サイコスリラー、限定された空間と限定された登場人物で繰り広げられるとにもかくにも恐怖の連続のドラマは一見の価値ありです。
その設定上、全編がセットの中だけで撮影されており、制作費をほとんどかけず、アイディアだけで勝負した非常に優れた作品だと思いました。ストーリーも決して一発芸的なものに終わることなく、随所に盛り上がりを用意した飽きさせない展開で、とても面白かったと思います。 物語の展開は、6人が立方体が並ぶ迷路をさまよい、誤った道へ進んでしまうと残虐な罠が待ち受けているという至って単純な構造ですが、そのさまよう6人の中でも対立関係が生まれてさらに事態を複雑化させたりと、非常にサスペンスとして完成された映画になっています。 またこの映画はとても理不尽で恐ろしいお話ではありますが、すべてが「数字」によって、論理的に組み立てられているために、人智を超えることはないという安心感がどこかにあります。
で、今回観た続編「CUBE2」ですが、前作で明かされなかったキューブの全ての謎がこの「CUBE2」で解き明かされると書かれていたのですが、いざ蓋を開けてみると、謎はおろか、全く前作のキューブとは別物になってしまっており、はっきり言ってがっかりしました。 設定自体は前作とほぼ同じで、何も分からず迷路に放り込まれた男女が脱出を試みるという話なのですが、キューブに仕掛けられたトラップがCG処理された、非現実的な物になってしまっていたり、迷路の繋がりがめちゃくちゃになって、探索する意味がなくなったり、その理由付けが聞きかじりの安っぽい量子論だったり、センスがないというか、発想が安っぽかったです。ドアを開けて移動するたびに位置関係が崩れてしまっては、移動する意味がありません。閉ざされた空間という設定も台なしでした。 ラストも謎は全く解き明かされておらず、それどころか別次元へと話が飛躍してしまい、結局誰が何のために作ったのかと言うことがわからずじまいで、見終わった後は、消化不良な印象しかありませんでした。
あの優れたアイディアで観るものをあっと言わせた「CUBE」の続編としては、納得できないですねえ……。
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