Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 F1中国グランプリ決勝
2004年09月26日(日)

 F1グランプリ第16戦中国グランプリ決勝、フェラーリのルーベンス・バリチェロが見事にポール・トゥ・ウィンを決め、前戦イタリアに続いて2連勝を果たしました。
 今回のレースでは、大本命ミハエル・シューマッハが予選の失敗により後方でのレースを余儀なくされたわけですが、シューマッハがまともに戦っていた前戦イタリアでのレースを見ても、フェラーリにはバリチェロに勝たせるだけの能力は充分あるということですね。
 つまり、バリチェロとシューマッハの2人のドライバーの実力に関係なく、フェラーリはレース戦略によって2人のレースをコントロールし、シューマッハのタイトルが決定するまでは、シューマッハ有利の戦略を敷いてきたということです。ですから、シューマッハのタイトルが決定しない限り、バリチェロがいくら頑張っても勝たせてはもらえないというわけですね。

 フェラーリはもう十分すぎるほど強くなってしまったわけですし、シューマッハもおしめが必要な子供じゃないんだから、いい加減シューマッハ有利の体制はやめて、他のチーム同様2人のドライバーを平等に扱ってレースをさせて欲しいものです。そうすれば、フェラーリ独走でも、バリチェロとシューマッハのフェラーリ同士のガチンコ勝負が見られるようになるわけですから、少なくともシューマッハ14戦13勝というアホみたいなシーズンにはならなかったと思います。
 そもそも、何としてもシューマッハにタイトルを獲らせなくとも、フェラーリのどちらかのドライバーがチャンピオンになればいいと思うんですけどね。いずれいしてもバリチェロは、フェラーリに加入したことでチャンピオンになることを完全に失ってしまったわけですから、哀れなものですね。「バリチェロはフェラーリに入って恵まれている」などというアホなことをいうやつはF1など見るな!
 今シーズンのF1が史上最悪のシーズンになってしまったのは、フェラーリとそれを養護するFIAの責任に他なりませんね。

 話をレースに戻しますが、シューマッハは今回、予選に続いて決勝でも同じようなスピンを喫し、またタイヤバーストにも見舞われて、完走こそしたものの14位と、散々な結果に終わってしまいました。
 決勝でのスピンも驚きでしたね。普段のシューマッハには絶対にあり得ない光景でした。やはりリアウイングのダウンフォースが足りなかったんでしょうね。しかも2回目の予選でスピンしてしまい、その後決勝までマシンをいじることはできませんから、シューマッハはスピンしたセッティングのママでレースに臨み、やっぱり決勝でも同じようなスピンをしてしまったということでしょう。ま、強すぎるシューマッハですから、たまにはこういったミスをしてもらわないと面白くなりませんからね。まあ、すでにタイトルは決定してしまっていますから、今頃ズッコケられても後の祭りなんですけど……。
 それでもファステストラップだけはきっちりとマークするあたり、シューマッハの意地を感じましたね。誰のせいでもないとはいえ、やっぱり相当悔しかったんでしょうねえ。初開催の地で初代ウィナーになれなくて。まあ今のフェラーリのマシンとシューマッハの技術を持ってすれば、ファステストラップをマークすることぐらい朝飯前だったのでしょうね。

 今回のレースで僕が一番褒めてあげたいのは、何といっても佐藤琢磨でしょう。ちまたでは「壊し屋」という異名まで付けられてしまいましたが、今回は金曜日のフリーセッションでエンジントラブルに見舞われてしまい、決勝グリッドの10番降格が決定しました。そこでチーム側は予選グリッドよりも決勝でのレース戦略を優先し、琢磨のマシンに多くの燃料を搭載したわけですが、琢磨はその重いマシンで9番手のタイムをたたき出しましたからねえ。しかもレースでは一番最後までピットストップを先延ばしにし、ライバルが3ストップ作戦の中2ストップ作戦で順位を上げ、最終的に6位という好成績を収めました。今回の琢磨は、ミスもなく、戦略を忠実に実行し、実にいい仕事をしたと思います。国際映像には全く映りませんでしたが、こういう琢磨の努力は、正当に評価されるべきですね。
 鈴鹿では2度目の表彰台(できれば2位、優勝はフェラーリがいる限り無理)を期待したいですね。いや、琢磨ならきっとやってくれるでしょう。



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