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■ 「マツダイラ」最終調整
2004年03月17日(水)
「マツダイラ」最新作の公開に向けての準備がのろのろと進んでいます。仕事が立て込んでいて思うように作業が進まないのですが、今日も仕事の合間にちょこちょことやってました。 あらかじめ作ってある1話分のフローチャート(簡単なあらすじや流れなどを図式化したもの)に沿ってざっと文章化し、その後参考資料や思いついたアイディアを書き留めておいたものを使って細かな描写などを加えながら肉付けしていくのですが、僕はこれまでにも書いてきた全ての作品において「映像の見える小説」を目指してきたので、人物の描写や背景描写は、できる限り詳細に書くようにしています。また人物の動作やしぐさや言い回し、あるいは話の展開などのアイディアは湯水のように出てくるので、それらを全て詰め込んでいくと、膨大な量になってしまうんですよね。
でもそれらを詰め込んだものの中には、ストーリー上必要のないものも多いわけです。そういったものを入れすぎてストーリーの流れを鈍らせてしまうこともあり、読む側にしてみたら話の展開をわかりづらくさせてしまうだけなので、言ってみれば「このキャラにこんなセリフを言わせたい」「このキャラにはこんなことをさせてみたい」というアイディアの多くは、作者のエゴに過ぎないことも多いのです。
それに、特に「マツダイラ」は、僕の作品では初めての「ネットで公開するための小説」なので、読む側は当然モニター上で細かい文章を追っていかなければならないわけですから、それも考慮してある程度の文章量に抑えなくてはなりません。しかしかといってあまり描写の部分を削ってしまうと、今度はその場面の「映像」が見えなくなってしまうことになるので、僕が作品の贅肉をそぎ落としていくときは、回りくどい言い回しを簡潔に書き直したりすることもありますが、1エピソード丸々削ってしまったりすることが多いですね。もちろん落とすときはそれなりの覚悟が必要ですが、削る前と削った後(公開している)の文章を読み比べてみると、後者の方がはるかに読みやすく、展開もスムーズなものに仕上がります。
「マツダイラ」は僕のこれからのライフワークにしていくので、栗本薫の「グインサーガ」並みの長編になるかもしれませんが(それはないか)、果たして皆さんはどこまで「マツダイラワールド」に付いてきてくれるか心配でもあります。僕としてはこの「マツダイラ」には、もちろん以前お話ししたように盗用されないよう、ある程度クオリティーは落としてはいますが、かなりの情熱を注いでいます。しかし、実際読む側にとってみたら、「マツダイラ」って作品の面白さでいうとどの程度のものなんでしょうかねえ。
近所のBookOffで、僕が出した本が100円コーナーで売られているのを発見したときには、何だか悲しくなりましたね。まあ同じコーナーに村上春樹や筒井康隆、マイケル・クライトンやシドニィ・シェルダンといった蒼々たるメンバーが揃っていましたけどね……。
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