るなふの日記

2007年03月28日(水) 半年間

お久しぶりです。
日記をさぼっていたわけではなく、天中殺に見舞われて(古い)、かなりのダメージをくらってました。
日曜日はオノケンさんの芝居を蹴って、某ライブの当日券に参戦したのに玉砕。
火曜日は『セレブの資格』をみようと駅についたら、架線にビニルがまきついて、電車が前面ストップ。地下鉄の駅2駅分歩いてもタクシーはみつからず、バスはのれず、近くのしりあいに「自転車を貸してください!」とたのみこみ、隣の区までがむしゃらに自転車を飛ばす。ママチャリって乗りにくいね。(貸してもらって、わがままいうなっ!)

でも、まず、今日でもって、半年間の仕事が終わりました!
お疲れ様でした、あたし。
でも今日は残業だった。(泣笑)
やるべきこと全部は終わらなかった。
一応、面倒くさいことは終わらせたのですけどね。
ちょっとくやしい。
そして、やっと仕事が面白くなってきたので、契約満了がもっと悔しいなあ。
まあ、これを生かして、次の仕事もがんばります。
……30日に辞任発令をしてもらって(公共の仕事なので仕事やめるときも辞令がでる)、その足で社会保険の関係で年金手帳を次の仕事場に置きにゆきます。そのあとは次の仕事場に前任者との引継ぎもしにゆくつもりです。
タイムテーブルがきついです。
フリーターはフリーではないということだね。
落ち着かないタッチアンドゴーなあたしの人生です。
職務経歴書がむやみに増えていきます。


さて、そんなこんなで小野さんの芝居はみれなかったわけですが(自業自得…)、『セレブの資格』は見てきました。
ルテアトル銀座。
若尾文子主演。
いわゆる女優芝居というのは昔はいかなるものか…と若者だったときは「テレビのままの雰囲気をひきずって、それをタテにした芝居をするんじゃないか?」「女優が泣いたり笑ったりするメロドラマ、またはほそうで繁盛記的なものではないのか?」とみたこともないのに敬遠していたですが、昨年機会があって、八千草薫さんの『黄昏』をみましてね。
これがよかったんですよ!!
照れもなく、くどさもなく、普通にアメリカ人になってて(これ大事)、夫婦と老いとそれでもなお残る娘とのギクシャクさをもった生身の人間を品よくえんじていたのが好感がもてまして。
あー、翻訳物をする女優さんって、もしかして、舞台一筋のひとよりもおもしろいかなーと思って、『セレブの資格』をみにいったら、これがまた、上品なイギリスの皮肉&心の内側で悶々とする話になってました。


あらすじ。
イギリスの片田舎に住む貴族の未亡人のもとに息子の伯爵が(二度目の)結
婚を決めたとの知らせが入る。そしてその相手はハリウッドの女優。しかも女優はその家の女中頭の生き別れの妹。
自分勝手な妹を恥じて、家を去ろうとする女中頭。
妹が伯爵夫人なら、女中頭にも「秘書」とか「夫人の話相手」というそれなりの仕事の身分を与えなくてはバランスが取れないだろうと話し合う伯爵家に人々…。
そしてついに妹が伯爵とやってきた!
という話。

若尾文子さんのしれっとして、きれいなのにずるくて、
「本心で言えばこの結婚には反対よ!」
がみえみえなのに、
それでも身分を大事にする旧世代なひととあきれるにあたいしないのはなによりも女性には分かる感情的で、わるいところだけではない、人へのおもいやりがひしひし伝わるからでしょうね。
息子の選んだ人を気に喰わないけど、息子がそのひととでなければ幸せになれないならそれも仕方ないとあきらめているのも事実。
そのために言葉はさっき言ってたことばと全然矛盾してるぞ!
さっきは息子とは別居するっていってたじゃん。
さっきは女中に「あなたが決めたならもう留めないわ」とかいいながら、10秒位で「ねえ、考え直して」とかなんで言うの?とか。
もう、ほんとうに女性ぽくて。でも憎めないの。
周りを、住む村のものすべてを、とても愛している夫人というのはとても可愛かったです〜。
おもわず今度の都知事選に若尾さんのダーリンをいれてあげようかと思ったくらいです。(嘘です)

柴田理恵さんの女中頭も面白かったです。
なにしろ自然な、下町のおばちゃんで、つつしまやかだった。
TVのドラマとかで見るときにはある意味、逆にバラエティの個性が重視されたアテガキみたいな部分がいっぱいあって、でもそれはいいずらそうなときが感じがなきにしもあらずだったのですが…。(えらそうですいません…汗)やっぱり柴田さんは舞台女優さんですね。
「わたし、お屋敷をやめさせてください!」
って突然言い放って舞台を緊張させるときには緊張させ、
財産を持った夫人に成りすますときには結構ちゃんとやりとおしているのに、さて本格的にひとをだまそう!ってすると、
「やっぱりだめです〜」
情けなくくたーと腰砕けになり、
妹に家族の様子をぶちまけて次の日、屋敷をでていくときは青菜みたいにしおれちゃって、
全部が終わってほっとして、執事とカクテルを飲むときは品よく気取ってすましてみて。
どれもこれも普通の手触りの感情で、庶民的で、笑わせようとしてないんだけどくふって笑ってしまうような隣人でした。
どっかのテレビでこの芝居の話をしてたとき、
「あたし、台詞おぼえらんなくて〜大変なのよ。翻訳芝居なんて初めてで」
とかいってたけど全然面白かった。柴田さんはぽちたまでも優しさを全開で大好きな方ですけどますます好きになってしまった。
柴田さん、もっと舞台に出てくださいよ!
バラエティのコメンティーターもいいけど、あたしはもっと芝居をみたいですよ。

ダブル小林。
十市さん。女優と結婚しようとする伯爵。結婚は押し通せるけど、人とのいさかいは苦手。
育ちがよくて、押しが弱くて、女に弱い。
典型的なのにかっこいいです、十市さん!(え?)
ママと世間と常識と良識にさからえなかったりする弱さが
逆に魅力的なひとでした。

高鹿さん。
騒動に巻き込まれる家族にまき込まれつつ、客観の立場を崩さない伯爵夫人の甥っ子。
事業をする貴族。でも自分のチカラでなく、ダさい一人の女子社員の働きによって成り立っているのも知っている。それも貴族。それもいやでない。
そんな、自分へのさめたまでの客観と、
女優を追ってきた俳優を慰める親身の気楽さ、
伯爵たちへのうらやみと、自由さの満喫。
自由はある意味、自分自身を自分でつくらなければならない重みもある。
気楽さと共に、か弱さ、みたいなものが高鹿さんのピーターには感じられた。


峰さん。あたしが小学校のころに宝塚でみた方が違った形でも芝居にでているのがうれしいです。そしてかわらずチャ-ミングなのがうれしいです。峰さん。(笑)


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