2007年05月27日(日) |
『嬉々』 柴咲コウ 2007.4.25 |
私にとって柴咲コウは尊敬する詩人の一人です。柴咲さんはもちろん女優なのですが、私にとっては好きな詩人の一人です。 この若さで少し先のことはお見通しのような詩がかけるってどんな人なんだろう?20代の頃の私はこんな風に先のことを見通したものを書けなかったし、思うこともなかった。 おそらくこの人は自分を中心に地球が回っているのではなく、回りの動きに合わせて自分も踊ろうとしている人なんだろう。
タイトル曲「嬉々」は文字通り嬉々と喜んでいる歌なんだけど、その少し先の不安も盛り込んである。 なんで、こんな風に書けるんだろうとその才能に驚いた。
「at home」にしても個性豊かだ。彼女はこれを誰に向けて歌うのだろうか。 誰のために書いたのだろうか。
「regret」はタイトルとおりだめになっていく過程を嘆いている歌だけどあまりにポップな歌なのでそれを感じさせない。
「-toi toi-」は詩の朗読でこれは万人の人に向かっての詩だ。 さすが女優だ。すべての人に問い掛けている。そして私にはその答えがない。柴咲コウのこの詩に答えられない自分がいることを改めて嘆いてしまう。 人に生まれたばっかりに 失うものも ある 「甘いさきくさ。」
それは何?人に生まれたばっかりに失うものって何?
次の「分身」はこのアルバムで私が一番好きな曲。 私の解釈では、自分でない自分の分身は色んな形にはまらないことを選んでいく。 どこの誰かわからないような風貌で自由に何かを描いている。 自分自身と分身の間にあるゆれる心を書いていると私は思う。 実はこの詩には思い入れが深すぎて感想さえ私には書くことができない。
「ひと恋めぐり」はドラマの主題歌なので、ドラマにあわせて書いたのだろうと思う。 これはメロディーも覚えやすくて、私も歌えるようになり、私のカラオケの定番になりつつある。とても歌いやすい。
このアルバムには入ってないけど、「若手クリエーター」なんかも、こんな文章が歌になるんだと驚いたし、私は柴咲コウという新しい若手クリエーターに会えてよかったってつくづく思う。
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