2006年11月18日(土) |
ムーンライダーズ OVER the MOON / 晩秋のジャパンツアー2006 in ボトムライン |
久々のムーンライダーズのライブ。デビュー30周年記念ライブ。 ライブハウスなので、行くのをためらったけど、行ってよかった! せまいスペースに折りたたみイスがぎっしりで、少し動くと隣の人とぶつかるくらいにびっしりと並べられたイスと立ち見席にもびっしりのファンたち。 ライブハウスなのでたばこの煙とお酒の香りが漂い、色んなにおいが入り混じる。 そんな中、鈴木慶一率いるムーンライダーズはひたすら演奏。 3曲目くらいになると、なんだか私は怪しげなところに迷い込んだような気がしてきた。 潜水艦の中か、怪しげなビルの地下のような雰囲気。 私は最近ライダーズから遠ざかっていて、新譜も聴いてなかった。 次から次へと演奏される曲は新譜から演奏されているようだ。 知らない曲でもとにかく慶一とライダーズが演奏しているだけで、それだけで価値がある。 どんな曲でもいい。ライダーズが演奏するのなら。それだけでいい。 確かに好きな曲はたくさんあるけれど、私は慶一にライダーズに好きな曲を演奏してほしいとは思わない。 ライダーズの演奏と慶一の声が聴ければそれだけでいいのだ。 お客さんは20代から50代くらいまでさまざまで均等だった。 若い人が多かった。 こういうことは珍しいと思う。常に時代の半歩先を歩いているせいだろうか。 「トンピクレンッ子」では皆が踊りまくり、ほえまくり、6人のおじさんたちはアイドルよりもかっこよかった。 慶一は髪がすっかり白くなってぜんぜんかっこよくないのに、ステージではめっちゃくちゃかっこいい。 博文氏は寺尾總そっくりになっていた。 かしぶちさんは去年体調不良だったけど、元気に歌も歌った。ダンディーだった。 武川さんはバイオリンからもうなんでもマルチに弾きまくり、歌いまくり、慶一とともにライダーズをひっぱっていた。 良明のギターも久々に聴いたが、はじけていた。 岡田さんも渋くてかっこいい。
ガンガンに演奏する。進化しつづけているムーンライダーズ。 歌詞はほとんど聞き取れず、何を歌っているのかわからないことろも多々あり。 でも、そんなことはどうでもいい。神様だから。
慶一は「金もない。力もない。でも葬式に友達が来てくれる」と歌っていたが、もうここまできたら、好きなようにむちゃをして死ぬまでバンドを続けてほしい。
アンコールで慶一はお客さんの中に飛び込み、お客さんといっしょに踊っていた。 アーティストが演奏中にお客さんの中に飛び込み、ステージに向かってこぶしを振り上げているのを見たのは生まれて二度目だ。 昔、ローリングストーンズのフィルムコンサートでミックが客席で踊っていたのを見て以来のことだ。
私はここ数年ライダーズの音楽を忘れていた。 しばらくぶりの慶一とライダーズは「おかえり」と言ってくれたようだった。 ここ数年私はなんだか元気がなく過ごしてきたが、ライダーズを聞いてなかったからかもしれないとさえ思った。 もう、一生ついていくしかない。死ぬほど好きだから。
興奮気味でただでさえオーバーな私がさらにオーバーな表現をしているが、ボトムラインで同じ思いに陥った人は他にも大勢いると思う。 狂気の世界だった。ムーンライダーズ30周年晩秋のジャパンツアー。 来年は31周年ツアーを頼みます。 とことんむちゃな音楽を頼みます。神様。
|