私の音楽日記

2005年02月01日(火) 「LOVE TIME」  水越けいこ  1980.12

水越けいこさんの声はふっくらとやさしくあたたかくそれでいて、
少しハスキーで誰にもまねのできない声。
たぶん誰にもものまねとかできないのでは…と思えるような
個性的な声。

このアルバムでは10曲中9曲が水越さんの作詞作曲でソングライターとしても力強さを感じさせてくれる。
1曲目の「踊り子」は旅から旅へと流れていく踊り子の
一所にとどまっていられない哀しさと新しい旅立ちを軽やかにステップを踏むように歌う。

 相変わらずよ 踊り子だもの
 旅から旅へ一年中
 みんな仲間は気のいい子なの
 おかげでここまでこれたみたい

 どんな言葉も嬉しくないわ
 遅すぎたの きっと
 せめてあの時弱い心に
 きざんで欲しかった

メロディーは軽やかだけど、わりと歌詞は重い。
でも、これは踊り子に限らず色んな場面にあてはまりそうな気がする。
思い起こせば弱い心にきざんで欲しかったと。

ラストの「Beautiful days」を聴いていると満ち足りていない事の
しあわせについて思ってしまう。
 
 凍るような夜の街を
 みおろすあたたかな部屋
 何一つ不自由はないわ
 いつも憧れてたような
 満ち足りた暮らしだって
 手の中に二人築いた
 ねえだけど この頃思い出すのよ
 小さなあの部屋とても恋しい
 my beautiful days
 追いかける夢失くしたようで

私自身はおそらく一生満ち足りた暮らしということはありえないし、
望んでもいない。
でも、あたしも2Kのあの小さな部屋でひたむきだった頃がとても恋しい。
あこがれで終らせたくなかった夢やまだまだ修復可能だったたくさんのいざこざや傷やすべてが恋しい。
この歌を聴くたびにふと振り返ってしまう。

でも、何も持たないあたしはまだまだ旅の途中の踊り子の気分で、

 私はずっと踊り子だもの 
 明日の朝は汽車に乗り
 うつる景色に時も忘れる
 今までそうして来たようにね


 




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