2005年01月31日(月) |
「この夜にさよなら」 甲斐バンド 1977. |
高校2年の頃、それこそ聴きすぎて擦り切れたアルバム。 甲斐バンドの解散コンサートは四日市と名古屋とで2回観た。 甲斐バンドは結構三重を愛してくれて、よく来てくれた愛すべきバンドだった。
このアルバムは私にとってはあまりに大人すぎて、 ぜんぜんわからない世界で 未来にもこういう世界はありえないだろうと思っていたけれど、
心ひかれてしまうのはなぜ。 別れる為だけの愛情があるなんて知らなかったのに わかるような気がしてたあの頃。 このアルバムを聴いていた高二当時、 私は生まれて初めて彼ができたけれど、 ああっという間に私にうりふたつと言われていた親友にとられてしまったというにが〜〜い想い出がある。その間、たったの2ヶ月半。
その頃、よくこのアルバムを聴いていた気がするが、 甲斐バンドの曲はいかにも辛い曲が多い。 ハッピーエンドや明るくがんばろう的な歌はあまりないように思う。 「安奈」はほのぼのとしたあたたかい歌ですが。 「HERO」は特別だと思う。 私は本来辛い歌は好きではない。自分まで辛くなってしまうから。 でも、なぜか甲斐さんのあの声のせいなのかどうかわからないけど、 逃れられなかった。 お酒のことがぜんぜんわからない私が甲斐バンドの歌で 随分お酒の名前を覚えたり、その状況をそうぞうしたりして面白かった。 あと「きんぼうげ」が有毒の植物ということも知った。 「スウィート・キャンディ」という曲だけが突然明るい歌だけど、 他があまりにも重い曲ばかりなので、ちょっと浮いた感じがする。 全体的に壮絶だけど、最後の「円舞曲」が小品で粋な感じ。 短い曲だけど、とてもしゃれていて、まさに踊っているような感じで、 素朴で確かな意味があって大好き。
僕らは出会いのために 最期のワルツを 僕らは憎み合うために 最期のワルツを 僕らは別れるために 最期のワルツを 踊った
去年、もうあの甲斐バンドの演奏は二度と聴けないと知った時は 哀しかった。
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