私の音楽日記

2005年01月23日(日) 「アクトレス」  水越恵子 1985.3.30

水越けいこさんは歌はもちろんのこと好きですが、
人間として本当に尊敬しています。
歌を大切に歌い育てながら、しっかりとお子様も手塩にかけて育てられて、
人はここまでがんばれるということを私は水越さんから教わりました。
10年ほど前に水越さんの自叙伝的な本を2冊ほど読んで、
ここまでかんばる人もいるんだと目からうろこが落ちたような気がしました。

あー、それなのにすぐに私は何にでも挫折して…。
もう一度水越さんの本を読みなおしてみよう。

水越さんのアルバムも好きなものがたくさんあります。
一番好きなのはこのアルバムとはちょっと決めにくいのですが、
この『アクトレス』は全曲熱がこもっていて、たくましさを感じるアルバムです。

まず、ジャケット写真が不思議なのですが、
恵子さんの髪がまるで煙突からのびる煙のように斜め上へ上がっているのです。
不思議です。合成って感じでもないし、こんな髪型できるのかなあと今でも不思議です。
でも、恵子さんは美しい方なので、何でも似合います。

もともと水越さんの声質はやわらかいだけでなく、
ふっくらと包容力があり、たくましさや骨太さも感じられる
それこそ味わい深い声の歌い手さんです。
いつも一生懸命いい楽曲を作っておられるのですが、
この『アクトレス』はたしかタイトル通り、
色んな女優さんをイメージして作ったアルバムだと恵子さんはいっておられました。
オープニングの「瞳のせい」はまずタイトルだけでしびれてしまいました。

 全てはあの時
 あなたが見せた
 哀しい瞳のせい

時々すごく瞳に表情があらわれる人に出会うと、こっちがうろたえてしまいます。
かなり遠くから見ていても、目をみただけでハッとするときがあったりして、
たまに極端に目に表情がでる人に出会うことがあります。

2曲目の「シンガポール」はシンガポールで歌う女優の図。
 秘密だらけの 今夜はシンガポール
日本にはないような情熱を感じられる曲。

3曲目の「Shampoo」もこれもすごく女優さんっぽくて、
髪を洗いながら 
あの人が愛してくれた長い髪をバッサリと出直すわ
と、とても軽やかででチャールストンのようなピアノで歌う。
最後に 
ずっとあの人の好みでいたかった
と淋しさものぞかせるけれど、すっきりと楽しい未来を感じられる曲。

「土壁のMaroc」「哀しくて」「ワインナイト」もドラマティックな
大きいメロディーの曲でストーリーや映像が目の前に浮かんでくる曲。

ラストの「むり向けばloneliness」では

 笑って踊って それだけで
 愛って 終ってくれない

この言葉の持つ意味がすべてでしょう。


 < 過去  INDEX  未来 >


mitsuko [HOMEPAGE]