2004年11月06日(土) |
「遠乗りの果て」 佐藤公彦 |
春や秋のやわらかい季節になるとケメの歌が聴きたくなる。
昔好きだった人に合うような気持ち。 ケメは私の記憶のある限り、私の最初の王子様だった。 アーティストだけど、なぜかもっと近いところにいる人みたいに錯覚していて、近くにいるお兄ちゃんみたいな気がしてアルバムを聴いていた。
ケメの歌は同録している曲が多いのか、すごく身近に聞こえる。 ライブかと思うものも多く、いっせえので録っているなあと楽しい気持ちになる。
このアルバムもとてもかろやかに気分よく歌っているケメと なめらかで絶好調なピアノの音がよく聴こえて、ベースも自然にはねていて、 ギターもやかましくなくて、最大限にケメのあのボーカルが一番先頭にいる。 ああ、弱そうだけどがんばれって気分になってくる。
このアルバムでは「学生通り」が一番思い出深い曲。 ”学生通りを歩いてゆく 持ち歩くメモ帳に詩がひとつふたつ ぼくに届かぬ 君の気持が 捨てられていく詩がひとつふたつ
お茶の水から竹橋へ 辞書をひきながら君を待ったあの頃 早く来すぎたぼくを目かくし うれしそうに君はそのまま目かくし
わかってくれるだろ そう信じたいから この学生通り捨ててゆく
この歌のまねをして、あの頃は小さいノートを持ち歩いて、 詩をたっくさん書き散らしていたんだった。 寺山修司監修の本に詩を送ったりして。。。遠い日
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