私の音楽日記

2004年11月02日(火) 「retour」  今井美樹  1990.10.31

哀しい時や失ってしまったなあと落ち込む時は、いつも今井さんの歌にお世話になってます。
特にこの「retour」。フランス語で蘇生という意味。
人間が生きていく上で起こる色んな悩みや悲しみから解放されたいという意味らしい。

どの歌も言葉もよ〜くわかる。
人は哀しいときは泣いてもいいし、後悔してもいいんだよと教えてくれるような歌たち。
1曲目の「retour」では、新しい私に蘇生する、蘇るんだと歌っている。
 
 ”体中 全てが 目覚めていく
  変わるのよ 今すぐ
  明日は違う私になる
 
  この街の 光も
  この街の 色彩も
  気づいたの 自由は
  私の腕の中にある

2曲目の「Sol y Sombra〜ソル イ ソンブラ」ではスペインを優雅に歌う。
それからしばらく日常的な喜び不安、悲しみなどを歌う。
「幸せになりたい」この曲は離婚した友達を優しく迎える友情の歌。
この歌にはわけもなく励まされた。

 ”冴えない夏の空 少しだけ蒼い海
  灰色の高層マンション
  ダメになるヤツもいる だけど友達が待っている
  ここにおいで

  渋滞は毎日 鳴らし合うクラクション
  行く人はみんな急いでる
  幸せになりたい ひとりきりだった悲しみと
  昨日を 忘れて ここにおいで

「去年は、8月だった」ではたった1年で移り変わっていく気持ちを自分で怖れている。
 ”たった1年が
  だけど1年が流れ
  いつしか 嘘がわかるほど
  疑い深くなったわ

「泣きたかった」では知らず知らずのうちにためこんでしまった何かや
ずっと前に封印していた哀しい想い出を突然思い出してしまって、
あの時は気づかないふりをして泣かなかったんだと突然今になって泣いてしまう。
この歌を聴いて泣いてしまった女性はどれくらいいるんだろうか。

「半袖」は辛いことでも、それは自分で選んだことだからと凛とした強さを感じる歌。

「冬のマーケット」「輝く星になって」も前向きに振り返る歌。

ラストは「新しい街で」

 ”空は 雲を抱き 樹々は 葉を歌う
  雨は 虹を掛け 光は 地を包む

  時が動きだす 私はここにいる

私の感傷的な気分だけでなく、音楽的にもよいものがたくさん詰っている。
岩里佑穂さんの詞がとてもありのままの人を書いていて清々しい。
上田知華さんやKANさん、柿原朱美さん、山口美央子さんらが今井さんにぴったりの色んなタイプの曲を作っていて、音楽的にも素晴らしい。

明日からもう一度がんばろうと思わせてくれる。

    


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