2004年10月09日(土) |
「トワイライトの風」 相曽晴日 1982.11.5 |
相曽さんのファースト・アルバム。 これも本当によく聴いた。ジャケットも素敵で湖に妖精がただよっている絵が描かれている。 きれいな青がいっぱいに広がっている。 私はずっとLPを部屋に飾っていた。この青を見ると胸がしんとした。 なんともいえない青。水色でもなく空色でもなく輝く青。
そして中身は本当に丁寧に丁寧に1曲1曲に全力投球したことがありありとわかる内容になっている。 当時彼女は高校を卒業するかしないかの頃だったのに、これほど完成度の高い曲を次々に生み出していた。 今も変わらずあたたかい心のこもった歌を作っておられるが、 このファーストアルバムはあまりにもしっかりと地に足の着いた原点。
1曲目の「トワイライト」はポプコン本選会で賞を受賞した曲だけど、歌詞が変えてある。 この詞もいいけど、もとの詞もよかったのにな。 私は2曲目の「コーヒーハウスにて」が一番のお気に入り。出だしが、 ”風に色があるとかないとか 隣では文学少女達が パイをつつきながら大論争
なんてきらきらした始まりなんでしょう。 秋になるとこの歌を口ずさんでしまう自分が今もいる。
「歳末の街角」も風景が目の前にうかんでくる曲。
”歳末の街角に募金箱を持った君がいた 流れゆく人混みの中にポツリと独り立っていた
貧しい人達の為に君はますます貧しくなった 愛するひとよ なぜそんなに瞳が輝いているの
「金糸雀色の風」(かなりやいろのかぜ)はおそらく想像力をふくらませて書いたのでしょう。 いっしょうけんめいさが伝わる作品。
これをリアルタイムで聴いていた頃は自分自身もまだ子どもみたいなものでした。 相曽さんと同じような場所で聴いていた。
でも今は違って、ちょっと離れたところからああいっしょうけんめいに作った詞とメロディーなんだと 胸があたたかくなるような気持ちで聴けるアルバム。秋になると毎年聴く大切なアルバム。
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