私の音楽日記

2004年08月18日(水) 「にんじん」  佐々木好  1983.1.21

佐々木好さんはたんたんと地味に歌うシンガーソングライターです。
詞は少し抽象的でときによくわからないこともあり、なぜこの詞にこのタイトルが?と思う事もしばしばです。
目立とうとか、もう少し派手にしてみようとかもなかったように思います。
しかし、手作りのひとつひとつの楽曲すべてが苦労して何度も何度も書き直したりして、丁寧に作られたのでは、と思える作品ばかりです。

「にんじん」はセカンドアルバムで、鈴木茂さん、後藤次利さん、石川鷹彦さんらがアレンジされ、北海道でレコーディングされています。
正直なところこのアルバムを聴いていると、そんなビッグなミュージシャンがアレンジされているという印象はあまりないです。
あくまでも好さんの歌と詞、メロディーが浮き上がっています。

特に衝撃的な歌は少ないのですが、じんわりと心に残るフレーズがところどころにちりばめられています。

 ”優しそうにみえるけれど 言葉だけですあの人も
  気が弱そうにみえるけど みえるだけですあの人も”
    「ストレート」

 ”目標立てて見るけど 実行しない”
  情緒不安定なまま また歩くに決まってる” 「21才」

自然に心に残ります。
自分自身21才の頃、こんなに自分自身と向き合っていただろうかと思うのですが、たしかにこの頃は自分の人生や自分とは何ぞやとか何ができるのかとかわからないまま、小さな目標だけを目指してうろうろしてました。
この「21才」の歌のような状態に陥ってこの歌を聴いていました。

その他には雪国の北海道の風景を感じます。

 ”雪のつもりでした 降って積もって雨が降れば 溶けるはずでした”
   「残雪草」
 
 ”お尻の白い プワプワした 雪虫は
  着物にあたると すぐ死ぬ”
    「雪虫」

私にとってはちょっと特別なポジションにある佐々木好さんの歌です。





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