林心平の自宅出産日記

2005年02月28日(月) 長期履修制度 前編

 妻は大学院生です。通常、博士課程は3年間が正規の課程です。それを超えると、留年ということになり、余分に授業料を払わなければなりません。しかし、最近、長期履修制度というものができました。これは、働いていたり、育児をしていたり、介護をしていたりする場合、最大6年まで課程をのばして、研究と生活の両立を支援するというものです。授業利用は3年分を6年間で払えばいいことになります。

 このたび、妻は、この制度に申請することにしました。理由としては、もうすぐ生まれる子どもの育児と、ぷーちゃんのぜんそくの看病です。2月は、ほんとうにたいへんでした。今後も、また発作が起こることが想定されるため、看病できる体制を作っておこうと考えたのです。
 大学の窓口に申請理由を書いた書類を提出すると、「申請理由を証明するために、母子手帳のコピーとぷーちゃんが慢性的なぜんそくで看病が必要であるという、医者の診断書を出すように」と言われました。母子手帳はすぐにコピーできますが、ぷーちゃんは「慢性的なぜんそくで看病が必要」という状態ではありません。風邪やインフルエンザから、再び発作を起こす可能性が高いということなのです。その旨を、窓口の担当者に伝え、そのような診断書は書いてもらえないだろうと言いました。
 すると、
「それでは、申請理由は育児だけということになりますね。ただし、普通の育児、出産なら認定は難しいです。「保育園に預けたり、大学を休学したりして対処してください」と言われました。
 まったく、何のためにこの制度を作ったのでしょうか。学問と家庭を両立させるため制度があり、その趣旨にのっとって申請している人がいるのに、これではまるで、申請をしりぞけようとしているようではありませんか。

 まったく、保育園にいても、水ぼうそう、インフルエンザ、そのほか感染するもの(皮膚炎や結膜炎さえも)にかかると、医者の登園許可が出るまで休まなければなりません。しかも、これらはしばしば保育園由来で流行するのです。しかも保育園は病気が流行した後も、もとから決まっていた予定通りのスケジュールで動くので、今回のように病み上がりで登園すると、行事が待っていて、また病気になってしまうこともあります。 
 しかも行事等が優先されて、土曜など預ってもらえないこともあります。こうして、1、2週間単位で保育園に預けられないこともざらです。
 こんなもろもろのことに、大学の休学で対応できるのでしょうか。これが本当に「少子化対策」なのですか。育児している主婦でも勉強するのを応援する制度ではないのですか。
 ぷーちゃんがぜんそくでなくても子育て事情はたいへんなのに。それを保育園や休学で対処しろと言うのは本当に母親1人に育児をおしつけています。
休学だって申請期間が決まっているし、子どもの急な病気のことなどを考えていては予定が立ちません。だから休学では対処できません。それでも地道に勉強したいから長期履修を頼んでいるのに。
怒りながらつづく


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