林心平の自宅出産日記

2004年10月14日(木) 1人目を生んだ助産所をやめた理由

 1人目の子どもは助産所で生みました。2人目は自宅出産で、3人目も自宅で生もうとしています。助産所生むのをやめたのには、次のような訳がありました。
 助産所で、そこの所長である助産婦さんに検診を何度も受けたのちに、出産を迎えました。ぼくたちは当然、出産のときにも、その助産婦さんに立ち会ってもらえるものだと思っていました。しかし、陣痛の間隔が10分以内になって、いざ、助産所へ行くと、その助産婦さんはおらず、それまでほとんど面識のなかった助産婦さんに介助してもらうことになりました。そういうこともあるならば、事前に説明してほしかったと思いますし、一般的にはよくあることなのかもしれませんが、最後の最後で知らない人に手助けしてもらうというのは納得がいきませんでした。

 助産所の分娩室へ行くと、古い木製の、普通のベッドがありました。ベッドに横たわってすぐに、妻は言いました。
「寒い。ベッドの脇から隙間風が来る」
「ごめんなさいね。なにしろ古い建物だから」助産婦さんは、そう言いながら、部屋中のクッションを集めてきて、風の吹き込んでくる隙間を埋めました。
 北海道の真冬のことで、部屋ではストーブが燃え盛っていましたが、それでも冷たい風が常時妻に吹き寄せました。これは、6時間も続いた分娩室での出産の間中、妻を苦しめました。

 また、出産当日にぼくたちが助産所に着いたのは、23時50分でした。出産後、所長さんはそれを聞いて、手をたたいて喜んだのです。どういうことかと言うと、23時50分に入所し、翌日生んだ場合、料金が2日分発生するからなのでした。当時、とてもお金がなかったので余計、そのことが印象に残っています。

 以上のような理由で、2人目を妊娠したとき、ぼくたちはこの助産所での出産を選択肢から外しました。病院で嫌な目にあって、これも口コミでたどりついた助産所にはじめは期待していましたが、ぼくたちには満足のいかないものでした。
 自宅出産では、助産婦さん個人にお願いしているので他の人が来ることはありませんし、出産環境は自宅なので、自分たちで整えることができますし、出産開始時刻によって料金が変わるということもありません。


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