林心平の自宅出産日記

2004年09月27日(月) ぜんそくとハーブ

 妻が特別に健康だから、自宅出産ができるというわけではありません。まずは「自宅出産をしたい」という気持ちが大切で、そう思ったからには、そのためにできることをするしかない、ということなのです。そのことをわかっていただくために、いかに妻の体調が悪かったかという話をしたいと思います。
 妻は、妊娠にかかわらず、日常的に2つの体調不良に悩まされています。1つは、この「出産日記」でも述べてきた偏頭痛です。そして、もうひとつはぜんそくです。
 ほこりを吸い込んだとか、かぜをひいたとか、ちょっとしたきっかけで、ぜんそくの発作は誘発されてしまいます。そして、一度発作が出ると、その後、数か月にわたって苦しまされるのです。特に、注意しなければならないのは、寒くなってきた秋口、ちょうど今頃の時期です。はじめはかぜをひくのですが、しだいにせきがとまらなくなってしまいます。
 ですからそうならないように、かぜをひかないように、疲労、ストレスに気をつける。ほこりにやられないように、部屋をきれいにする。そのために掃除をこまめにしますが、これは本人がやってはいけないのです。しかも、掃除中は別の部屋に避難してもらわなければなりません。
「すまないねえ」と妻は言いますが、これは自分のためでもあります。ぜんそくの発作が出ているときのかなりつらそうな妻の姿を見るのは嫌ですし、その看病にくらべたら、掃除などたいしたことはありません。

 2人目を妊娠していたとき、この発作が起こってしまいました。夜、あまりにひどくなった妻のため、ぼくたちは上の子を友人宅に預ってもらい、総合病院へ行きました。呼吸器科、せめて内科の医師に診察してもらいたかったのですが、妊娠中である旨を告げると、産婦人科の先生しか診てはくれませんでした。
 しかも、なぜか、内診をされたのです。妻は、1人目のときの内診がとてもつらく、それをされなくても済むようにということも1つの理由として、自宅出産を選択しました。それなのに、明らかにぜんそくで苦しんでいるのに、まず内診をされました。
 このことには、ぼくも、いまだに納得がいきません。その医師は、目の前の患者をみていたのでしょうか。それとも、妊婦のぜんそくには、まずは内診というのが医学の常識なのでしょうか。

 そんな経験もあり、今は、ぜんそくの発作が出ないように注意しています。昨日は、ハーブを使いました。ボールにミントとローズマリーを枝ごと入れ、お湯をそそぎます。ここにタオルを浸してしぼり、蒸しタオルを作ります。これを顔にのせて、深呼吸をするのです。のど、鼻がうるおいます。妻は、「超リラックス」と言って喜んでいました。続いて子どもたちにも同じことをしましたが、嫌がりもせず、「いい気持ち」などと言っていました。ぼくもやってみましたが、とても安らぐものでした。
 ただ1つ問題があります。マンション住まいで庭がないので、ベランダに置いた鉢でハーブを育てています。ローズマリーはまだたくさんありますが、ついにミントはなくなってしまったのです。妻は言いました。
「隣の公営住宅の庭に生えているよ」
そうなのです。告白すると、ぼくは、暗くなってからはさみと袋を持って、近所の庭からミントの枝を2本失敬してきたのです。
 個人の庭ではないし、おそらく自生しており、誰かが管理しているとは思えないミントですが、それでもちょっと気がひけました。そこで、来年以降のために、もう2本根ごと抜いてきて、別の鉢に挿しておきました。かさねがさね、すみません。


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