三島のあとがきで「遺書のつもりで書いた作品」について
「それは言葉である。「言葉」に対しての熱烈な恋文の数々がこれだ」
ボードレール詩の禁断詩篇は素敵。
「あまりにも快活な女に」 A CELLE QUI est TROP GAIE の最後の2連が素晴らしい。 この2連が残虐な血と猥褻を感じさせると判事たちは 考えた。 毒という言葉がメランコリー、憂鬱を意味するのは 刑法学者たちにとっては単純するぎる考えだったのだ 彼らの梅毒的解釈が、彼らの良心のとがめとならんことを!
頭の固い人達こそ、梅毒的であり 鋼鉄のような想像力は失笑する。
「おまえの嬉しげな肉を懲らしめてやりたい おまえの許された乳房をいためつけてやりたい そしておまえの驚いたわき腹に ぱっくり大きな傷をこしらえてやりたい
Pour chatier ta chair joyeuse, Pour meurtir ton sein pardonne Et faire a ton flanc etonne une blessure large et creuse
それから、目もくらむほどの楽しさ! 本物以上にあでやかで美しい この新しくできた唇から、おまえに 私の毒をつぎこんでやりたね、わが妹よ!」
Et vertigineuse douceur! A travers ces levres nouvelles Plus eclatantes et plus belles, T'infuser mon venin,ma soeur!
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