りえるの日記

2008年03月12日(水) 恋文

三島のあとがきで「遺書のつもりで書いた作品」について

「それは言葉である。「言葉」に対しての熱烈な恋文の数々がこれだ」

ボードレール詩の禁断詩篇は素敵。

「あまりにも快活な女に」
A CELLE QUI est TROP GAIE 
の最後の2連が素晴らしい。
この2連が残虐な血と猥褻を感じさせると判事たちは
考えた。
毒という言葉がメランコリー、憂鬱を意味するのは
刑法学者たちにとっては単純するぎる考えだったのだ
彼らの梅毒的解釈が、彼らの良心のとがめとならんことを!

頭の固い人達こそ、梅毒的であり
鋼鉄のような想像力は失笑する。

「おまえの嬉しげな肉を懲らしめてやりたい
おまえの許された乳房をいためつけてやりたい
そしておまえの驚いたわき腹に
ぱっくり大きな傷をこしらえてやりたい

Pour chatier ta chair joyeuse,
Pour meurtir ton sein pardonne
Et faire a ton flanc etonne
une blessure large et creuse

それから、目もくらむほどの楽しさ!
本物以上にあでやかで美しい
この新しくできた唇から、おまえに
私の毒をつぎこんでやりたね、わが妹よ!」

Et vertigineuse douceur!
A travers ces levres nouvelles
Plus eclatantes et plus belles,
T'infuser mon venin,ma soeur!


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