りえるの日記

2008年03月15日(土) ボードレール月間

「ジブシーキャラバン」という映画を見た
インドのジプシーロマの舞踊が豊穣の色彩に満ち溢れ
素晴らしかった。
三島、谷崎が千一夜やインドに魅せられるのも分かる。
宝石からでる宇宙的な煌きは、人間に幸福と快楽、
幸福の裏側の深淵の世界に誘ってくれる。

ボードレール月間なので、また一つ。

ボードレール 「吸血鬼の変身」
LES METAMORPHOSES DU VAMPIRE

「あたしって、唇もしっとりして、知っているのよ
ベットの奥に古臭い良心なんか消してしまう秘術を」

Moi, j'ai la levre humide, et je sais la science
De perdre au fond d'un lit l'antique conscience

「私はね、可愛い学者さん、快楽にかけては博士よ」

Je suis, mon cher savant, si docte aux voluptes

「不能な天使も私のために地獄に落ちるほどなのよ」

Les anges impuissants se damneraient pour moi!

素敵。
この様なファムファタールに身を滅ぼしたいという
男性の気持ちはよく分かる。
大理石と氷の世界に住む女王。

最後の地獄におちるという
se damner pourは、恋のために身を滅ぼすという
表現。

ボードレールは、フランス語を解すると
より世界に浸れると思う。


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