りえるの日記

2008年03月05日(水) 逃げ去る女

「囚われの女」を電車で貪るように読む

翼をもった逃げ去る女だからこそ
欲望は深まる。
相手の到達の距離が遠いほど燃え上がる
娼婦はあった瞬間に到達が容易であり、
道のりを感じられない。

プルーストを読んでいると
自分もマルセルになって相手と自分を分析してしまう。
ボードレールは愛し合うときに口づさむと
官能に満ち溢れる黒豹になった気分になる。
欲望や嫉妬の裏地で作られたマントを着せられても
決して征服はされない
私は逃げ去る女

「悪魔のような女」をフランス語学校でかりてきた
数秒で名作だと分かる
最初はバルベードールヴィイの言葉から始まる

Une peinture est toujours assez morale
quand elle est tragique et
qu'elle donne l’horreur des choses
qu'elle retrace.
(絵画は、おそろしい物事を描いても、
悲劇的で戦慄させる絵になり得ていれば
つねに十分道徳的である

朝の読書は
三島「家族あわせ」「夜の支度」
この2作品も好き


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