りえるの日記

2008年03月01日(土) 色あせるもの

色あせるもの

数年前、インスパイアされている人が色あせてくる
プルースト「囚われの女」でもアルベルチーヌが色あせる姿を
マルセルは語る。
惰性の繰り返しが幸福であることは間違いないが
それだけでは、世界は広がらない。
新たな半身を求めていないのに、視界にあらたな姿があらわれる。

ボードレールの詩暗誦は
  
A UNE MADONE あるマドンナに

おまえの「服」は、つまりおれの「欲望」さ、ふるえたり
波を打ったり、高まったりするわが「欲望」だ
峰の頂はふらふらと揺れ、谷間ではゆっくりと休み、
白と薔薇いろのおまえの体を接吻で一つでそっくり覆う。

Ta robe, ce sera mon Desir, fremissant
Onduleux , mon desir qui monte et qui descend
Aux pointes se balances, aux vallons se repose
Et revet d'un baiser tout ton corps blanc et rose

白と薔薇色の組み合わせは、囚われの女でもでてくる
女性の皮膚を白のレースにみたて、薔薇色は官能の赤み。
神聖なる淫らさ。
アルベルチーヌが寝ている間、不動なる所有の快楽を貪るマルセル
無意識のアルベチーヌが快楽の表情の逸楽に満ち溢れる表情。
直接的な言葉はないのに、エロスを感じる文章。

「横たわるアルベルチーヌ
 私はその眠りの上に船出する」


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