プルーストを読んでいると、 マルセルは、花を見ると、女性の艶かしい体を想像する。 美しい女性のくびれた腰の花々。 ノヴァ-リスの「青い花」のように花弁の中に 愛らしい乙女が潜む禁断の世界。
鏡花の再読も。 まずは「春昼、春昼後刻」 文字を追いながら、着物に色づけし、花の吹雪に包まれながら 神秘的な女性を創造し、そして、自分自身を 美しい言語のヴェールをまとうことができる。
こういう作品を時々読むのは必要だと思う 日々の生活は、人間関係ですさんだり、 つまらない会話にも楽しそうに参加したりと 気苦労が多いもの。 常に魂をゆさぶる人達に囲まれているわけではないから、 疲れたときに点滴を打つように、 美しい作品により、私の体と脳は快活になっていく。
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