りえるの日記

2007年09月18日(火) 香りの記憶

香りの記憶。

肌から発する体温と香水が
見事に体に一致すると官能的な香りになる。
自分をよく知っている人ほど
印象的な香りを身にまとっていると思う。

三島「沈める滝」を読んでいると、
彰子を語る、香りの描写がある。
彰子の冷たさと傲慢さと美しさが見事に表現してある。

「優雅で、暗く、澱んだ強烈な甘さの上に、人を反発
させるような金属的な冷たさを装った匂いである。
暗い庭を歩くうちにゆきあたる花のような匂いであり。
しかもいくたびかの雨を浴びて、半ばすがれて、
匂いだけが夜の動かない空気のうちに、漂っていると
謂った感がある。」


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