「ボヴァリー夫人」読了。 心理描写が的確な小説だった。 高校生が読んでも、分らないだろう。 多分、つまらない作品だと批評するんだろう。 フランス小説の恋愛は、大人の香りが充満している。 「危険な関係」ラクロ等 意地悪なエッセンスの罠。
「サド侯爵夫人」三島を読み始める。 こちらは、悪徳の香り。 悪徳は突然現れるものではなく、
「天から授かった広い領土で、どんな意外にみえることに 出会おうと、領土の外からきたものではない。
突如如実に見え、遠い谷間から吹く硫黄の火がみえ 森の中で牙をむき出す獣の赤い口が見え、 自分の世界は広大で、全てが備わっていることを知る。」
25ページ目の悪徳についての語りが素晴らしい。 澁澤「サド侯爵の生涯」を読まなければと思った。
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