りえるの日記

2007年09月15日(土) サド侯爵

「ボヴァリー夫人」読了。
心理描写が的確な小説だった。
高校生が読んでも、分らないだろう。
多分、つまらない作品だと批評するんだろう。
フランス小説の恋愛は、大人の香りが充満している。
「危険な関係」ラクロ等
意地悪なエッセンスの罠。

「サド侯爵夫人」三島を読み始める。
こちらは、悪徳の香り。
悪徳は突然現れるものではなく、

「天から授かった広い領土で、どんな意外にみえることに
出会おうと、領土の外からきたものではない。

突如如実に見え、遠い谷間から吹く硫黄の火がみえ
森の中で牙をむき出す獣の赤い口が見え、
自分の世界は広大で、全てが備わっていることを知る。」

25ページ目の悪徳についての語りが素晴らしい。
澁澤「サド侯爵の生涯」を読まなければと思った。


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