りえるの日記

2007年07月03日(火) ボルベール

ボルベール(帰郷)を見に行く。
アルモドバル監督。
ペネロペ・クロスの妖艶な美しさ。
深い赤色と花。
女性が不幸に出会っても強く、
男は欲望に溺れ、弱い存在。
私が好きな監督は、いつも潔い女性を描くのが上手い所が
共通していると思った。

待ち時間にロラン・バルト「恋愛のディスクール」
恋愛についての言葉、行動を様々な引用や
日常の会話で分析している。
フロイト、「若きウェルテルの悩み」、プルースト等
聞き慣れ親しんだ書物や作家の文章の抜粋。

「底なしの淵にしずむとは、しばし催眠術にかかっているようなもの
 かけられた暗示が働き、おのが身を殺すことなく
 消滅せよと命じるのだ。だからこそ、この底知れぬ深淵に 
 あの甘美さがあるのだろう」

底なし淵に沈むという言葉に
惹き付けられるのは、心地よき死に恋する甘美が
あるからだ。

言葉を理解することは、芸術活動に必須。
言葉の裏の想像力の手助けになると思う


 


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