りえるの日記

2007年01月22日(月) ハンス・カストルプ

フランス語の後、軽く飲みに行く。
細い階段を登り、カウンター席へ。
焼酎のお湯割りと穴子の稚魚のポン酢付け
だしがしみこんだ上品な味わいの大根。
牡蠣と大根の柚子香煮。
最後にたこわさ茶漬け。
柚子胡椒が大根の味を引き立てる。
今回は、到着時間が遅かったので、ゆっくり飲めなかったが
じっくりと行きたいお店。

「魔の山」トーマス・マン上巻読了。
マンは狂ってる。知性あるテンションの高さが面白い。
最後、ハンス・カストルプはショーシャ夫人に愛の告白をする。

「愛とは、肉体、愛、死、この3つのものは一つのものなんだ
なぜなら肉体は病気と快楽であり、肉体こそ死を生じしめるもの
だからだ。

ああ、素晴らしい有機的油絵の具や石などで構成されたのではなく
生きた腐敗性の物質からなり、生と腐敗との熱性に満ちた美よ。

ああ、肘やひかがみの関節の内側の柔らかい部分、そして、その内部の
肉の褥に包まれた無数の有機的秘密。人体のこの甘美な部分を
愛撫するのは、なんという歓喜だろうか。
死んでも悔いのない喜び。
ああ、君の膝頭の皮膚の匂いを嗅がせてくれたまえ、
精巧な関節嚢が滑らかな香油を分泌する表面を。
君のまたの前面を脈打って、ずっと下方で二本のけい部動脈に分かれている
大腿部動脈に、ぼくの唇を敬虔に触れさせてくれたまえ。
君の毛穴の発散物を嗅ぎ、君の柔毛を愛撫させてくれたまえ。
水とたんぱく質から成り、やがては墓場で分解する運命を持った
人間像よ、君の唇にぼくの唇をあてて、僕を死なせてくれたまえ」

そして、ショーシャ夫人

「あなたは、とても深刻な、ドイツ式の口説き方を心得た伊達者ね」
「さよなら、謝肉祭のわたしの王子様、今夜は熱の線が大変よ
 予言するわ」

一本気で独りよがりのハンスカストルプを大人の余裕で
かわす。
笑えた。


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