そよ風


2005年07月14日(木) 安否

ロンドンでの爆破テロのニュースを見た時、
かつて、メール交換をしていたイギリス人のメールフレンドを
すぐに思い浮かべた。
彼女の二番目の息子が、ロンドンの大学に入学して学んでいたはず・・

メール交換を始めた頃、高校生だった彼女の息子が受験期になった時、
目標とする大学のことや、高校での成績のことなど
母親の彼女は、かなり熱くなっていたので
「いずこも、受験生を持つ母親はみな同じなんやー」と感じたもの。

英語には全く自信がなくても、単語の羅列と写真交換だけでも
きっと楽しいだろうと始めた文通、
たまたま、子供の年代が同じで家庭環境がよく似ていた。
息子が志望大学に合格した喜びと、親元を去ってロンドンに行ってしまった
母親としての寂しさ・・・
ちょうど我が家も同じ状況だった。

約3年間続いた文通は、
しかし、少しずつ私の返信メールが遅れるようになった。
特に、パート先を変えた頃から、グッタリと疲れるようになり、
日本語のメールさえ滞りがちになった。
とても英語のメールなどに取り組む気力は無い。
それに、ストレスも溜まり始めた。
拙い英語力では、思い通りに自分の気持ちを表現することはできない。

返事を待ちかねた彼女から「How are you ? 」というメールが届くと、
やっと重い腕を上げるという状態が続くようになった。
しかも、数行の英文しか書けない。

2002年の秋、長い間同棲生活をしていた彼女の長男が結婚、
喜びのメールと結婚式の写真が届き、私もお祝いメールを送信した。

それが、ほぼ最後だっただろうか。

今は仕事をやめ、時間もたっぷりあるのに、再び挑戦する気力はない。
歳をとったものだと思う。
でも、文通が途切れたからと言って、私は彼女を忘れたわけではない。
日本語で書けるのなら、決して終わっていなかっただろうと思う。

だから、メールを送った。
ロンドンにいる彼女の愛する息子が無事なのかどうか、
安否を尋ねる短いメール。
もう届くかどうかもわからないが・・・

長〜い英文メールがすぐに返ってきた。
とにかく彼は無事だった。たまたま無事だったそうだ。


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