そよ風


2005年07月07日(木) 失言

最近は反っ歯の人をあまり見かけなくなった。
今でも母と親しいKさん、昔はかなりの反っ歯だったらしい。
そのKさんに向かって、幼い私は言ったそうだ。
「オバチャンの歯、なんでそんなに飛び出してんの?」

私はいっこうに記憶は無いが、その時のことを母は
今でも忘れられないそうだ。
昨日、所用で実家に帰った時の母との会話だ。

幼稚園時代の記憶は割りとシッカリしている方なのに、
それに関しては全く覚えていないところをみると、
ほんとうに悪気もなく、見たままを口にしてしまったのだろう。
(しかし幼いとはいえ、なんと思慮深くない子供だったのか)

成長してから母に何度か聞かされたが、我が家の玄関先で立ち話中だった
二人は、突然の私の言葉に、まさにどちらも固まってしまったそうだ。
「ほんとうに顔が青くなった」と母は言う。

今では92歳になったKさんと80歳の我が母、
どちらも一人暮らしの元気なおばあちゃん、近所づきあいも昔のまま。
相変わらず、あの時のようにお互いの家に行っては、
タイガースの話や孫達の話で盛り上がっているらしい。

Kさんは、もうとっくの昔に総入れ歯になっているが
先日、話の中で「昔、私は反っ歯だった」とのKさんの言葉に、
母の心臓はドッキ〜ン! 飛び上がるほどビックリしたそうだ。
(両手で胸を抑えて、飛び上がる仕草をする母)

あの時のことを思い出してしまったから・・・

・・・って、もう50年前のことやん。半世紀も昔やのに・・・

今でも母をドキッとさせるなんて、そんなに重大な過失だったのかなあ。

たしかに、親しいとは言っても12歳という年齢差、
当時三十代になったばかりの母は、とても気を使ったのだろう。

ご当人のKさんは、覚えておられるだろうか(きっと、覚えているよね)


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