母と三人で愛知万博に行ってから、もう十日以上たつのか・・・ あの時、早く決心して早々に出かけてよかったと、今つくづく思う。 最近のこの猛暑の炎天下では、八十歳の母はもちろん、私達だって おそらくあの日の半分も動きまわることができなかっただろう。
一昨日の日曜日、母の所に写真を届けに行った。 写真を見ながら万博見物の思い出話に花が咲く。
これは何処のパビリオンだった? あれは何処の国だった?
母はすこぶる機嫌が良い。 嬉しかった、嬉しかった、と何度も繰り返す。
お礼にと、主人には好物の麦焼酎を差し出し、 私には「アンタのとても好きな物を今、生協で注文してるんよ。 届いたら取りに来て!」と言う。 ニコニコとそれは嬉しそうに「アンタの大好きな物♪」と繰り返す。
私はできないけど、あんたは好きだから・・・
ということは、おそらくちょっと高級な花の苗かな?
それにしても、そんな母はずいぶん久しぶりだ。 娘に向かって「あんたの大好きな物を買った」なんて、嬉しそうに・・・ はるか昔、まだ私がこの家の子供だった頃を思い出してしまった。
四十三歳で未亡人になった母は、それ以後、娘にとっては あまり、そういう面を見せなかったというか・・・ そういう精神的な余裕が無かったということだろう。
私達と愛知万博に行ったことが、よっぽど嬉しかったんだなあ と、こちらも素直に感動してしまう。 そういえば、主人の両親もとても喜んでいた。 八十歳を越えた年寄りだからといって、全員が「あの混雑がイヤだから 絶対に行きたくない」と思っているとは限らないのね。 昔と全く変わり映えしない田舎の家で暮らしている親達には 良い刺激となったのだろうか。
あまり喜ぶので、秋には「USJにいっしょに行く?」と 声をかけてみようかな。
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