そよ風


2005年03月10日(木) 私だったら欲しいな。

火曜日の夕刊に「医師への謝礼金」の記事が掲載されていた。

「正規の治療費以外、医師への謝礼や付け届けは一切不要です。 
日本の医療はお金を包んだからといって治療内容が変えられる
システムではありません。」という内容。

でも、やはり耳に入ってくるんですよね〜。
「いかにして、他の人に絶対に見付からずに、
担当の医師にお金を受け取ってもらえたか」って話、
まるで武勇伝のように語り伝えられてきましたよ。

母の知人は、レントゲン室から担当医師に渡すようにと預かった
レントゲン写真入りの大きな封筒にお金を忍び込ませたそうだ。

「でも公立病院なのに、ほんとうにその医師は受け取ったの?
何か合図のようなものはあったの?」

「渡した当人にだけわかるように、ちゃんとお礼を言ったそうよ」

ということだそうだ。

また、もうひとりの知人は、廊下で医師とすれ違った瞬間を狙って、
白衣のポケットにお金の封筒を滑り込ませたという。

医師が出てくるのをずっと見張っていたのだろうか。
瞬間に目にも留まらぬ速さで、他人のポケットに物を入れるなんて
なかなか高度な技のような気がするが・・・特訓でもしたのかな?

ただし、この策は失敗に終わり、その場で返されてしまったとか・・

でも、その涙ぐましい努力とアイデア、すごいです。

義母は75歳で心臓の大手術をした。
今の元気な心臓を支えている三本の太い血管は、
すべて体の他の場所にあった血管だ。

和歌山県立医大に入院していた義母は、その手術のために
岸和田市の徳○○病院に移された。
心臓バイパス手術においては、かなりの実績があるからだ。

朝から夕方5時まで、ほんとうに長時間の手術だった。
翌日、医師から術後の経過報告を受けた時、
義父は用意しておいた謝礼金の封筒を差し出したそうだ。

小さな部屋で、義父と医師の二人だけだったけれど、
決して受け取ってもらえなかったという。

徳○○病院は公立ではないのに。

義父母は決して賄賂的な気持ちではなく、
心からお礼の気持ちを示したかったのだと思う。

その医師のきっぱりとした行動のお陰で、
徳○○病院は決して謝礼金も付け届けも受け取らない清い病院、
という固定観念が私の中に確立されている。

こっそり封筒に混入されていたお金を受け取った病院は
「悲しいかな、公立病院なのに賄賂に弱い」という評価。
単細胞な私としては当然のなりゆきだ。

新聞記事によると、「謝礼金を心苦しく思い、断るのに苦労している」
という良識ある医師も多くいらっしゃるということだが・・・


ところで、話はガラリと変わるのですが・・
心臓の血管を入れ替えたお陰で、80歳の義母は元気過ぎる毎日、
明後日も、老人向け給食作りのボランティアに行くそうです。
ほんとうに価値ある手術だったと思っています。


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