そよ風


2005年03月07日(月) 出会い

今は就職活動に忙しい息子の高校入試の思い出です。

中学時代卓球部に所属し、卓球が大好きだった息子は
ただひたすら、私立U高校に憧れを抱いてました。
当時大阪府下では、卓球ナンバーワンの高校でした。

中学生になってから卓球を始めた息子の実力は、
大したものではありませんでした。
(個人戦で府下中学生のベスト16に残った程度)
でも、大学進学においてもかなり実績のあるU高校でもあり、
私達も息子の熱意を認めて応援をしていました。

息子は、卓球の強豪チームに入って練習することを夢見て、
私達は、進学校であるU高校でしっかり勉強して欲しいと願って、

U高校という目標に向かっていました。

親子の気持ちは一致しているようで、実はそうでもなかったかな・・

担任の先生からもOKを頂き
クラスの皆にも「僕は絶対にU高校へ行く!」と
宣言していたそうです。

願書を提出する日も近付いてきたある日、
中学校から帰宅した息子は、U高校の卓球部の練習を見たいと
ラケットを持って、ウキウキと出かけて行きました。

そして、その数時間後、息子は泣きながら帰ってきたのです。

涙をポロポロ流して・・・



息子の実力では、U高校卓球部のレギュラーになるのは難しい、
レギュラーにならなければ、試合にも出場できない、
練習さえもじゅうぶんできない、それが現実だ。

しかも、U高校は勉学もスポーツもとても厳しく、両立するのは無理だ。

もっと卓球が強くなりたいのなら、自分がレギュラーになれる実力の
高校を選びなさい。練習も存分にできるし、試合にも出場できる。

U監督が息子に言って下さった内容です。

さらに具体的に、N高校かS高校がいいのではないか、と。

ほんとうに誠実な対応をして下さったと感謝しています。

その日のうちに、電話で中学校の先生と相談し、
けっきょくU高校監督が勧めてくださったN高校に急きょ変更しました。

N高校は、卓球においても勉強においても
U高校より、ワンor ツーランクくらい下のレベルでした。

でも、息子はN高校の進学クラスにいながら、卓球部も頑張ることができ
なんとか、近畿大会まで進出することができました。
また、現役で国立大学に入学でき、充実した高校生活を送ったと思います。

あの時、U高校の監督のアドバイスがなかったら・・・

一度きりの短い出会い、しかも息子にとっては
決して嬉しい出会いではなかったけれど・・・

ほんとうに感謝です。


 < 過去  INDEX  未来 >


nogiku [HOMEPAGE]