週末の金曜日には、結婚式の打ち合わせのために娘が、 土曜日には、就職活動の一環として大阪に来た息子が、 それぞれに緊張感と忙しさとを伴って、我が家に帰って来た。
淀みがちな空気の我が家に、束の間、爽やかな風が流れるひと時。
就職活動真最中の息子が帰ってきたのは、土曜日の夜10時頃、 東京で面接を受けてきたそうだ。 翌日の大阪での企業説明会に参加するために、 下宿先の名古屋には戻らず、新幹線で直接我が家に帰ってきた次第。
見違えるほどの、りりしい背広姿の息子の登場にみんな感激! まさに「馬子にも衣装」という諺どおり。
単に、背広という服装だけの問題ではなく、 企業との初めての面接を経験してきた息子は、 親の目には、今まで見たこともない、パリッとした男前に映った。
(これぞ、まさに親バカチャンリンなり)
しかし、現実は厳しいと思う。 理学部、大学院卒、という肩書き故に、さらに厳しいものだと思う。
父と姉が、息子の就職活動について、いろいろアドバイスをしていたが、 心身ともに落ち込むことなく、頑張ってほしいと願う。
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「おい、もう、みんな起きてるぞ!」と 主人に叩き起こされたのは、翌朝の五時過ぎ。
ええっ・・・早過ぎるよー。今日は日曜日なのに・・・ それに、昨夜は興奮して、あまり眠れなかったのにー
グズグズする私に、珍しく怒った口調で、主人が追い討ちをかけた。
「母さんが起きないから、お姉ちゃんが替りに朝飯を作ってるぞ!!」
あわてて、下に降りていくと、娘が必死で卵料理と格闘していた。
息子は「小魚入りなたね」を食べたかったようだ。 高校時代、大好きだったお弁当メニューだ。
「おふくろの味」の出番を、早起き娘に奪われてしまった私は、仕方なく 「八時に家を出ると言ってたのに、早過ぎるやん」と文句をたれて、 少々、ふてくされ気味な母となる。
しかし、息子は、日曜日だというのに、再び背広姿で出陣して行った。 疾風の如く現れたかと思うと、またすぐに出て行った息子、 説明会終了後に名古屋に戻るそうだ。
そして今朝、娘も早朝便で東京に戻り、そのまま出社。
みんな、それぞれの戦場へ出かけて行った。
私はといえば、久しぶりに、ひとり、のほほんとパソコンに向かう。
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