ある日、フとした所から、すっかり忘れていたお金が出てきたら、 やっぱり嬉しいものですよね。
決してヘソクるつもりはないけれど、手も切れるようなピンピンの新札が 偶然手に入った時、それを大事に封筒に入れて、とって置くという行為、 それは、特に珍しいことではないと思います。 お祝い事や何かの時に、手元に新札があると便利ですから。
でも、その大事にとっておかれた新券の一万円札、 なかなか出番がなかったのでしょうね。
もともと、常に先のことを考えて、備えあれば憂い無し、 というタイプではありません。 しかも、とても忘れっぽくて気楽な性格。 (そういう人は、あまり先の準備など、何もしない方がよろしいかと・・)
そんな私なので、新札を入れた白い封筒のことなど、いつの間にか、 すっかり頭の中から消え去っていました。
と、ここまでは、けっこう、よくありそうな話です。
私は、その封筒に手紙を入れて、友達に送ったのでした。
どう見ても、真新しい白い封筒。
二重構造の封筒は(ちょっと高級)、厚めの生地で、縦長で すっぽり入り込んでいるお札の存在に、全く気付かなかった!
というのは、やっぱり、私だからでしょうね! きっと・・・
でも、手紙を受け取った友人は、ずいぶん悩んだそうです。
手紙とともに出てきた、ピンピンの一万円札、 手紙の内容は、一切そのお金のことに触れていない、
お金を貸した覚えもない、お祝いをもらうような事もない、
家族四人で必死で考えたそうです。
「きっと○○さん(私のこと)は、宝くじで百万円当たったんやわ。 それで私達に恵んでくれたのだから、これは、もらっておこうよ!」
なんて話にもなってたんだけどね、と後日 友人は笑いながらお金を返してくれました。(ほっ・・)
しかし、「あのお金、なに?」と、突然電話で言われても、
「はぁ?? お金って?」
「手紙に同封してたでしょ。一万円」
「ええっ!! うそー! なんで?」
自分の頭の中で、話の辻褄が合うまで、かなりの時間を要しました。
もう、ずいぶん前の話なのですが、それ以来、慎重になりましたね。
封筒、スーパーの袋、紙袋、きっちり調べます。
(お金が出て来るかも・・)という期待感は、いつも裏切られますが。
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