そよ風


2005年02月01日(火) 雨の日に出会った人

沖縄二日目の午後、それまで何とか持ち堪えていた天気、
残念ながら、本格的な雨となりそうな気配になった。
それでも、私が「行く!」と言って譲らなかった観光スポット、
亜熱帯の自然、ランの花々などをテーマとした「ビオスの丘」。

「ええやん! 傘をさしながら花を見れば」と悪条件にもヘコタレナイ私。
しかし入園した頃には、ほんとうにザザ降りの雨になってきた。

小道の両脇で無残にも雨に打たれる、たくさんのランの花達、
太陽の光を浴びて、もっと美しく、楚々と咲きたかっただろうに。

観光客の少ないこの時期、しかも平日で雨降り、
こんな日に、広い自然植物園を、高い料金を払って、
雨に濡れながら歩きまわる物好きは、私達だけ?

と思いきや、ジャングルクルーズに三組の客が乗船した。
若いカップルと子供づれファミリー、そして私達。
ビニールの屋根付きの船だから、雨には濡れないだろう。

いよいよ出航という時になって、船頭兼ガイドのお兄さんの
「あなた、芸能人ですね!」という声が耳に入ってきた。

その言葉にハッとなって、ガイドの視線をたどる私。
しかし、通路の反対側に座ってるその人、私の位置からはハッキリ見えない。
かろうじて、首の細い綺麗な横顔がチラリ。
ジーンズに白いブラウス、自然な感じの化粧。
「誰?」と主人に尋ねるが、芸能人に全く無知な二人はわからない。
連れの男性も、帽子を深く被り、眼鏡をかけて俯いている。

さて、楽しい船頭のガイドで、湖畔の植物やランの花、
水鳥などを観察しながら、船は湖の中をゆっくり進んだ。
ガイドのお兄さんは、園内の動植物の説明をしながら、
客の私達にいろいろな問題を出して、回答を迫る。
芸能人のその人、自然な感じで周りの雰囲気に溶け込んで、
とてもいい印象だった。
三択問題の時も、きっちりと手を上げているし、
ガイド先生の質問にも、みんなに混じって、気さくに答える。
船内は、和やかで楽しい雰囲気だった。
ガイドが教えてくれなかったら、私はその美しい人を
芸能人だとは、決して思わなかっただろう。

下船して、家族連れの人が「いっしょに写真を」とお願いすると、
「あっ、ありがとうございます。」とニコやかに並んで立った人。
(私、ファンになりそう)

船着場の売店でこっそり尋ねた。
「モデルの○○○さんですよ。」
「ふ〜ん・・・どんな漢字?」
「???? さぁ・・・ドラマやCMに出演されてますよ」
トンチンカンな質問だったようだ。

帰宅してからネットで調べた。
ひらがな、アルファベット、両方で名前が出ていた。
お隣の男性は旦那様だったのね。

でも、ネット上で見る彼女は、いかにも美人のモデル。
田舎者のオバサンには、近寄りがたい雰囲気の人。

雨の日の植物園、思い出にほんのり色を添えてくれた人。
これから、テレビをもっと注意深く見なくては!



 < 過去  INDEX  未来 >


nogiku [HOMEPAGE]