私には一人だけ新潟県に友達がいる。 若い頃に勤めていた職場で、机というか実験台が隣合わせだった。 二人とも、ほぼ同時期に結婚し会社を退職した。
子供達の年齢もほぼ同じ、子供の小さい頃は行き来があったが、 二十年ほど前に、ご主人の出身地である新潟に一家でUターン、 すっかり、お互いに遠い存在になってしまった。
年に一度きりの年賀状だけの付き合いになって、幾久しい。
でも、今年の年賀状に「私もパソコンでメールを始めました」と、 初めてE-Mailアドレスを賀状の隅っこに書いてくれていた。
私が送った彼女への最初のメールは、この七月、新潟県で発生した豪雨による水害の時。 「水害は大丈夫でしたか?」
そして、二通目のメールは「地震、大丈夫だった?」
もうすっかり新潟の人となって暮らしている友達は、 今年はいろいろと、怖い思いをしたのではないだろうか。
何年か前に一度、電話がかかって来たことがあった。 電話から流れてくるきれいな標準語に、昔の彼女だとはどうしても信じられなくて、 何度も「ほんとうに○○さん?」と聞いてしまった。
完全に抜け切ってしまっていた大阪弁のアクセント、 いかにも大阪人イメージだった昔の友達、 顔の見えない電話では、どうしても結びつかなかった。
それにしても、自然災害の前では、人間の力なんて微々たるもの・・・
でも、一日も早く、もとの生活が復旧することを祈っている。
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