雑記目録
高良真常



 沈黙博物館 (本)

沈黙博物館
   小川洋子
  筑摩書房



博物館技師である“僕”は、新たな仕事場として、ある博物館の創造に携わる事になる。それは、亡くなった人間の形見の品を集め、展示する博物館だった……。

依頼主の老婆から品物の由来を聞き、展示の準備をする。
老婆の家に住み込みで働く“僕”は、兄に向けて手紙を書く。
少女に連れられて街へ出る。
展示する品物の由来をあらかた聞き終えると、“僕”は思ってもいなかった事を請け負う事となる。
兄からの返事は来ない。
老婆の蒐集品であった形見の品――…その蒐集の後続を“僕”がやる事になる。
兄からの返事は来ない。
そうして蒐集を続ける“僕”に、連続殺人の疑いがかかり…………



とにかく、独特の空気を持つ著者の、これもまた独特の空気を持つ本。私はこの本で小川洋子にハマりました。
何も大きな事は起こらない。
事件というような事件は起こらないように見える。
実際には大事として扱うものが、流れる水のように書かれている。
とても好きな話です。










2004年09月16日(木)
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