Rocking,
Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?
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*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)
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2010年01月23日(土) |
I love him so much it just turns to hate |
何故私が今夜、家で一人で「ゴジラ」(1954年)のDVDを見ていたかの詳細は省く。問題はそこではないのだ。(どうしても知りたい方はここを参照。送ってくれて有難う武田くん) 要は、この日本が誇る「ゴジラ」が、実は"The Beast from 20,000 Fathoms"(1953年)というアメリカ映画のパクリだというのだ。YouTubeで見てみたところ(何でも即座に見られるYouTubeって素晴らしい)、あら本当だ、そっくり。 この映画の中で、恐竜は海から上がってきて灯台に前足をかけて破壊する。まさしくゴジラが放送塔を倒すシーンそのもの。・・・って。待って。 海から来た恐竜が灯台を壊す? そのイメージは、よく知ってるわ。
なんと。Wikipediaによれば、この"The Beast from 20,000 Fathoms"自体が小説を下敷きにしており、その小説とは、私の愛するレイ・ブラッドベリの、"The Fog Horn"―――「霧笛」であるというのだ。 つまりゴジラの大元は、ブラッドベリということになる。
「霧笛」は短編だ。私は15歳以降に読んだ約2,500冊の本の記録を取っているが、その中に「霧笛」が収録されている短編集「ウは宇宙船のウ」(原題"R Is For Rocket")はない。だが、読んだのは14歳で間違いないと思う。 ブラッドベリで最初に読んだのは「10月はたそがれの国」(原題"October Country")で、これを学校の休み時間に教室で読んでいた記憶が今でもはっきりとある。私は感動していた。あまりに感動して、周りの生徒達を見渡して思った。彼らはこれを知らない。私は知っている。私と彼らの世界は違う。私は明らかに彼らより幸福である、と。そんな特権意識にも等しいほどの満足を、その本は与えてくれえた。 その次に読んだのが「ウは宇宙船のウ」(何とかならんのかなこの邦題)で、「霧笛」は、ベッドに入ってスタンドの明かりで読んでいたのを覚えている。 恐竜が、海から来て、灯台を壊す。 ―――だからね、あまり何かを愛しすぎないほうがいい。 茫然とするほどうつくしく哀しい話で、多感な14歳だった私はぼろぼろ泣いて―――いや、今だって思い出すだけで涙ぐむ始末だ。 そして今でもやっぱり14歳の頃のように、こう思う。世の中には、これを知らずに生きている人がたくさんいるんだなあ、と。
好きな作家はいくらもいるが。14歳の時点で私の中に壮絶なセンチメンタリズムを培ったのがブラッドベリであり、うつくしいものしか読みたくない―――ひいてはうつくしくないものは嫌いだという観念が育ってしまったおかげで、今でも何かと人生が難しい。
しかし何をうつくしいと思うかは色々である。 まさかゴジラがブラッドベリと結びつくとは思わなかったが。ゴジラはゴジラで、しっかりと美学を内包していると思う。
I love him so much it just turns to hate (あまりに愛しすぎると、憎しみに変わる) *Doll Parts / Hole (1994) の歌詞。
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