Rocking,
Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?
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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)
*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
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2010年01月10日(日) |
Standing in line to see the show tonight, and there's a light on. Heavy glow |
前の日記では簡単に書いてみたジョン・フルシャンテのレッチリ脱退であるが。 ―――簡単なわけねえだろ。 ジョンだぞ? くそっ。 昔からのファンは、1992年に、なんとレッチリ日本ツアー中にジョンが脱退するという仕打ちを受けている。そのショックには遥かに及ばないだろうが。 泣いたよ。
「レッチリのギターがやめちゃった」とあるアメリカ人に言ったら、「本当のファンなら、彼自身の幸福を望むべきだ」と返された。・・・ったくアメリカ人って薄っぺらな悟りが好きだよなあ、と一瞬人種差別的にイラっとする。 私はジョンの「ファン」なんかじゃない。彼自身が、私と関係ないところで幸福かどうかは考えたりしない。私が泣くほど好きなのは彼の音楽であり、何も男として惚れてるわけじゃないんだ。 勿論ジョンが不幸でいるよりは幸福でいるほうがいいが。―――いや、待てよ。本当にそうか? 不幸は時々、すぐれた作品を生む。もしもジョンが、苦しみから芸術をつくりあげるとしたら、私はぞくぞくしながらそれを享受するかもしれない。
思えば私は、自分自身の苦しみさえも、音楽に浸る為の小道具にしているじゃないか。2004年にジョンのソロアルバム"Will To Death"に入っている"Loss"という曲に出会った時、私は無職で、貯金が底をつきかけていて、彼氏(g)と別れたばかりだった。彼は私と結婚したいと言ってくれたのに、なんで私は別れたんだっけ? 思い出せず、当時の日記を読み始めたが、面倒になってやめる。結局は好きじゃなかったってことだろう。 だけど。強烈なまでに"Loss"を好きだった。そして、「全く先が見えない」という足場のない不安に"Loss"をからめ、壮絶に酔っていた。―――だって人間って、"rolling stone"には魅力を感じるものでしょう? だからロックなんか聴くんでしょう? 2004年の夏は、"Loss"しか覚えていない。全てが、"Loss"に聴き入るための「背景」だった。
ジョンがレッチリを抜けた時、ショックを抱えて電車に乗った。iPodで、爆音で"By The Way"のアルバムを聴きながら。中央線のドア際に立って外を見ていた。夜だったので見るものもなく、時々総武線がすれ違うと、電車が暗い中に輝いていた。ただの闇とただの電車が、"By The Way"の音楽をまとって、鮮烈だった。
一年ちょっと前、卵巣腫瘍で開腹手術だと言われた時も、やはり電車に乗りながらスマッシング・パンプキンズの"1979"のアンプラグドを聴いたら、ドラムの音があまりに誠実で清潔で、しみじみと幸福感が湧き上がってきた。あのアンプラグドはその後何度も聴いているが、あれほどの感動をもって聴くことはない。
Standing in line to see the show tonight, and there's a light on. Heavy glow (今夜この感動に出会うのを待っていたんだ。ほら、そこに光り輝いているのが見える) *By The Way / Red Hot Chili Peppers (2002) の歌詞。
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