Rocking,
Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?
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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
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*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)
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2007年09月12日(水) |
And I'm wondering who could be writing this song |
2001年にBBCが製作した番組"Syd Barrett: Crazy Diamond"(後に"The Pink Floyd & Syd Barrett Story"のタイトルでDVD化)を昨日から見ている。 実はこれ、大分前に十文字さんに頂いたのだ。なのに見るのは今回初めて。彼から頂いた他のDVDはすぐ見ているのだが。これだけは、シド・バレットが亡くなっている今、見るのに気力を必要とした。
番組のつくり自体はどちらかというと平坦。音楽ドキュメンタリーは、個々の曲を流す時のタイミングとインパクトが命だ。何故なら見る側は音楽に感動するからだ。だから、緩急をつけて、然るべき場所で音楽を最大限の効果を狙って投げつければ、我々はあっさりと涙ぐんだり鳥肌を立てたりする。なのに、あの"Interstellar Overdrive"をあんな風に捨て曲扱いされては困る。あれは使いようによっては「雷の一撃」になる筈の曲だ。 我々は、音楽さえあればいいのだ。印象的な写真も、含蓄のあるコメントも、全ては音楽の為の食前酒だ。
とはいえ。アーティストのバックグラウンドにうとい私が、全く無知のままピンク・フロイドとシドについて以前書いたことを、この番組は多少訂正することになった。まあ、当然だが。 ロジャー・ウォーターズが単にシドに恋する男だという印象は変わらないが。ニック・メイスンが、シドの奇行でライヴをふいにされた苛立ちを語り、「彼のしたことに同情など出来なかった」と発言したり、逆にリック・ライトがあっさりと「彼がいなくて寂しい」と言う。一方ギルモアは、バンドに参加した当事は明らかにシドのサポート役であり、シドさえきちんとしてくれれば要らない存在で、本人もそれを自覚していたと話す。 要するに、色々と、大変だったんだなあ、と。 核となる人間を失うことで潔く解散するバンド、それでも足掻いた挙句に消えていくバンドは数あれど。ピンク・フロイドのように見事に切り抜けて、その後20年近くも活躍する例など殆どない。
シドのソロに参加した元ハンブル・パイのドラマーが言うには、シドは「気狂いのふりをして、そのことを利用してたんだ」とか。 でも彼にはわからないんだろうか。そんな真似をするのが己の利益になると考えること自体が、既におかしいんだってことを。
この番組には、思わぬところにボーナスがあった。グレアム・コクソンがコメントしているのもそうだが、それ以上にロビン・ヒッチコックがシドのソロを弾き語っているのだ。 この、25年の実績とカルト的人気を持つアーティストは、日本では何故こうも無名なんだろう。このひとの演奏を、昨年マイナス5(R.E.M.のピーター・バックのいるバンド)目当てに行ったライヴで、おそろしく小さなライヴハウスの最前で見られたのは運が良かった。 あの時、彼はルー・リードとジョン・レノンとデヴィッド・バーンに似ていると思ったが。―――そうか、シド・バレットにもかなり影響されているんだな。
ところでシドの書く歌詞は、メタフィクションみたいだ。"And I'm wondering who could be writing this song"だなんて。しかもああも感情を込めずに。 人間が、あまりそういうことをするのは良くない。戻ってこれなくなる。
And I'm wondering who could be writing this song (一体誰がこの曲を書いたんだろう) *Jugband Blues / Pink Floyd (1968) の歌詞。
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